【川崎】13差逆転で連覇!黄金時代に突入 鬼木監督、目指す「究極サッカー」

2018年11月11日6時0分  スポーツ報知
  • J1で2連覇を決め笑顔で記念撮影をする小林悠(中央)ら川崎イレブン(カメラ・義村 治子)

 ◆明治安田生命J1リーグ第32節 C大阪2―1川崎(10日・ヤンマー)

 川崎が2連覇を果たし黄金時代に突入した。敵地でC大阪に1―2で敗れたが、2位の広島も敗れたため史上5チーム目の連覇を達成。来年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得した。鬼木達監督(44)が攻守とも敵陣で行うサッカーを掲げ、J1で最下位の走行距離でも強さを見せる「究極のサッカー」が成熟。昨季悲願の初Vを成し遂げたチームは「常勝軍団」へと変貌(へんぼう)を遂げた。

 DF谷口がJリーグ杯を掲げると、スタンドから「カンピオーネ(イタリア語でチャンピオン)」の大合唱。小林の代わりにキャプテンマークを巻いた背番号5は「これまで積み上げてきた結果。今日は素直に喜びたい」。川崎連覇を祝福する声を全身に浴び、歓喜の雄たけびを上げた。

 家長のPKで土壇場で追いつき、逆転を狙った。「同点になってそのままでいくのか、勝ちにいくのかが…」とMF斎藤。チームの意思統一ができず、逆に後半ロスタイムに勝ち越しを許した。敗戦にうなだれる中、ベンチから「広島敗戦」が伝わった。敗れての優勝は1996年の鹿島(0●5V川崎=現東京V)以来2度目の珍事となった。

 究極の“走らない”サッカーが成熟した。1試合平均の走行距離はJ1の18チーム中最下位の107・452キロだ。「守るためにプレスをかけているわけじゃない。全ては攻撃するため。徹底するとこれだけ威力を発揮する」と中村。攻守の切り替えの速さで、奪われた瞬間にプレス。なるべく高い位置で奪い返し、すぐさま攻撃に転じるのが川崎の真骨頂だ。

 前線の選手がプレスにいくことでスイッチが入り、後ろも連動して“網”にかける。敵陣で攻守を完結させるため、自陣と敵陣とのアップダウンはない。走行距離は必然的に減る。走れないのではなく、走る必要がない。その結果、優勝チーム史上最少の平均0・81失点となった。

 「フロンターレのマインドは攻撃にある」という考えの下、鬼木監督は「理想はハーフコート」と言い続けた。FW小林も「相手が嫌だなっていうくらいつないで、相手を疲れさせて、それが続けば僕たちの理想のサッカーになる」と話す。敵陣でボールを回し続け、奪われても敵陣で奪い返す。相手にボールを持たせない。自陣から遠いところでトライし、成功することで相手には決定機すら与えない。1試合平均の被シュート数6・84もJ史上最少。昨季の9・29から大きく減った。攻撃にピックアップされがちなチームで、守備が飛躍的に成長を遂げた。走らない「究極のサッカー」が完成しつつある。

 5月に首位・広島とは勝ち点13差もあった。風間体制で築いたボール支配率100%を目指す「究極の攻撃」に加え、鬼木体制で「究極の守備」が成熟し、8月以降はわずか3敗。指揮官は「1年間の積み重ね。悔しい思いはあるが、今日は喜びたい」と話した。

 鬼木監督は3季目の来季も続投する。93年のJ元年から参戦する「オリジナル10」以外では初の連覇。リーグ、天皇杯、ルヴァン杯で合計8度の2位に甘んじた「シルバーコレクター」は「ゴールドコレクター」への道を歩み始めた。(恩田 諭)

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