【金沢】チーム愛に目覚めた悪の化身ヤサガラス劇場、担架で運ばれ壮絶閉幕

スポーツ報知
担架で運ばれる悪の化身ヤサガラス

◆明治安田生命Jリーグ J2最終節 金沢3―1水戸(17日・石川県西部緑地公園陸上競技場)

 J2ツエーゲン金沢のマスコットで、チームを憎んでいる悪の化身「ヤサガラス」が、ホームで行われた今季最終戦でチーム愛に目覚めた。

 この日はヤサガラスの父親でもある“悪の親玉”が、試合前から大暴れ。正義のクラブ公式マスコット「ゲンゾー」の進化形「ゲンゾイヤー」を軽くあしらい、「力が欲しければサッカーを憎め!」と言い放つなど、やりたい放題だった。

 しかし、ハーフタイムには4479人が詰めかけたスタンドの「ヤサガラス」コールに応え、悪の化身であるはずのヤサガラスが登場。人気アニメ「ドラゴンボール」のBGMが流れる中、ライバルのゲンゾイヤーとタッグを組み、“悪の親玉”に立ち向かった。

 苦戦が続いたが、ゲンゾイヤーがドラゴンボールの「元気玉」のように、会場のサポーターからエネルギーをもらうことでパワーを充填(じゅうてん)できる銃を取り出すと、ヤサガラスは一人で“悪の親玉”と戦って時間稼ぎ。さらに最後は“親玉”を羽交い締めにして、一緒に撃たれることで悪を滅ぼした。

 ヤサガラスがサポーターたちに対して「愛すべき愚か者たちよ! ツエーゲンを頼む! フハハハハ」と高笑いを残し、担架で運ばれて退場すると、スタンドからは感動の拍手が起こった。

 金沢イレブンに、ヤサガラスのまさに体を張ったエールが届いたのか、試合は杉浦、マラニョン、金子による「3倍界王拳」ならぬ「3発強烈弾」で快勝。最終戦を6試合ぶりの勝利で締めくくった。

 ちなみに昨季もツエーゲン愛に目覚めたヤサガラスが、今季開幕前に“悪の親玉”からマインドコントロールされ、再びツエーゲンを憎むという展開だった。柳下正明監督(58)は来季3季目の指揮を執ることが決まったが、果たしてヤサガラス劇場の3季目はあるのか!? 来季もツエーゲンと、マスコットたちから目が離せない。

サッカー

×