【札幌】磐田に快勝…最終節・広島とACLかけ決戦、勝てば無条件で決定

スポーツ報知
後半31分にゴールを決め、ベンチ前でチームメートに飛びつく三好(左端、カメラ・古川 浩司)

◆明治安田生命J1リーグ第33節 磐田0―2札幌(24日・ヤマハ)

 北海道コンサドーレ札幌が、最終戦で夢舞台への切符をつかみ取る。アウェーで磐田と対戦、前半12分に相手のオウンゴールで先制すると、後半31分にはMF三好康児(21)が追加点を挙げ、2―0で勝利。4位以上を確定させた。12月1日に札幌ドームでぶつかる2位・広島とは勝ち点差2で、勝てば無条件でACL出場権が得られる3位以内が決まる。最高の形で今季を終えるべく、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(61)の下で積み上げてきたものを全て出し尽くす。

 札幌が、大きな勝ち点3を手にした。前半12分、左からのDF福森晃斗(25)のFKを、逆サイドのMF早坂良太(33)が折り返したボールが相手のオウンゴールを誘い、先制点を奪った。序盤に握った主導権を最後まで離さず、快勝での4位以内確定。MF宮沢裕樹主将(29)は「やるべきことをやって勝てたのが何より」と納得の表情を浮かべた。

 敵地最終戦で手にした2戦ぶりの勝利で、ACL出場権を自力で獲得できる可能性が復活した。札幌ドームで迎える今季最終の12月1日・広島戦。相手は2位にはいるが、勝ち点差は2。勝てば3位・鹿島の勝敗に関わらず、ACL圏内の3位以内が決まる。早坂は「こういう劇的なシチュエーションで試合できることはそう、ない。チャンスがあるのだから、やってきたことを出すだけ」と気持ちを高ぶらせた。

 チーム内でも想像していた者がわずかだった舞台が、手の届くところにまできた。今季開幕前、札幌ドームのベンチが総額1500万円かけて新調された。国際試合に対応できるよう、26に増やした席。「来年ACLに行っても大丈夫だね」と記者に聞かれた野々村芳和社長(46)が「それは早過ぎ。将来的に出られればいいでしょう」と苦笑しながら返したほど、その時点では現実的な話ではなかった。

 しかし、ペトロヴィッチ監督による攻撃型への変貌から、今では全員が「目標」と公言するまでになった。世界舞台へ、ペトロヴィッチ監督は「失うものは何もない。縮こまらず、思い切った戦いをするだけ」と最終戦への思いを口にした。1月から培ってきたスタイルを貫き、歓喜の瞬間を味わってみせる。(砂田 秀人)

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