【鹿島】「メンバー外選手の分も戦う」主力復帰も指揮官は総力戦強調 アジア王者に慢心なし

スポーツ報知
先制ゴールを決める鹿島・昌子(中央)

◆明治安田生命J1リーグ▽第33節 仙台0―3鹿島(24日・ユアテックスタジアム仙台)

 3位の鹿島が昌子源の今季初ゴールなどで仙台を3―0で下し、4位以上を確定させた。

 前半34分に昌子源がキックフェイントで相手DF2人をかわすFW顔負けのゴールをサイドネットに突き刺して先制。後半25分にはクロスを安西幸輝が頭で流し込み、同30分にはセルジーニョが「FWは常にこぼれ球を狙っています」と相手のクリアミスを左足ボレーで難なく決めた。

 総力戦で過密日程を戦ってきたが、レアンドロが長期離脱から復帰し、内田篤人も1か月半ぶりに実戦復帰。一時はスタッフが紅白戦に借り出されるほどにけが人が続出していたが、ようやく戦力が厚みを増してきた。だからこそ、大岩剛監督は23日の練習後、選手を前に語気を強めた。

 「試合に出る選手は、メンバー外の選手の分も戦わないといけない。外国人枠でベンチを外れる選手も出てくるが、チーム一丸となって戦う姿勢を忘れるな」

 この日はACL決勝で180分間フル出場した韓国代表チョン・スンヒョンが外国人枠の都合でベンチ外に。天皇杯準々決勝甲府戦(21日)で決勝ゴールの土居聖真も出番なし。控え主体で2連勝したJ1・C大阪戦(10月31日)、柏戦(11月6日)のメンバーも多くがベンチを外れた。チーム内の競争は激化。それでも大岩監督はこれまで通りチーム一体となって戦う姿勢を選手たちに望んだ。

 「鹿島の(試合に出られない選手の)“腐らずやる精神”は他クラブのそれとは比べものにならないと思う」と仲間に信頼を寄せる昌子は、指揮官のゲキを「主力としての振る舞いを大事にしたい」と受け止め、先制点&無失点で勝利に貢献。安西は途中出場で控え組の意地を見せる追加点を決め「やってやりましたよ!」とクロスを捉えた頭をペチペチと叩きながら満面の笑みで取材エリアへ現れた。

 3点目のセルジーニョは言う。「当然メディアの方々は『鹿島』ではなく『アジア王者の鹿島』と表記するでしょう。しかし我々は優勝したからと言って慢心してはいけない。今まで通り、(目の前の)タイトルを目指していく姿勢で取り組んでいきます」。今季も残り最大6試合(Jリーグ1、天皇杯2、クラブW杯3)となったが、「アジア王者の鹿島」は総力戦のスクラムを崩すことなく、チーム一丸の姿勢を貫いていく。(岡島 智哉)

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