【清水】ヨンソン監督の働き方改革で長期離脱ゼロ…オレンジの躍進<上>

スポーツ報知
静岡ダービー3日前をオフとしたヨンソン監督(左)

 J1清水エスパルスはヤン・ヨンソン監督(58)体制1年目の今季、14勝7分け13敗の勝ち点49で8位に食い込んだ。昨季の勝ち点34、14位から大きく躍進。しずおか報知では3回連載でその裏側に迫る。(取材・構成=武藤 瑞基)

 ヨンソン監督の“働き方改革”が吉と出た。昨季は常に10人前後の故障離脱者がおり、メンバーを固定できなかった清水。今季はほとんどの主力が大きなケガなく、1年を乗り切った。

 主に公式戦が行われる3月~11月のオフ数を比較すると17年の45日に対し、18年は72日もある。W杯による中断があったとはいえ、異例の増加だ。ヨンソン監督はこう話す。「欧州では練習時間、強度をコントロールしてフィジカルコンディションを保つ。日本人は勤勉。『練習をたくさんしなければいけない』という文化的な背景があることは理解できるが、その考えをうまく融合させたい」。

 Jクラブでは土曜に試合、日曜にリカバリー、月曜オフ、火曜~金曜に練習というスケジュールが一般的。だが指揮官は時に水曜をオフとした。「仕切り直しの意味もある。続けてやって100、90、80と落ちていくより、休みを取って100%の状態で臨まないと内容のある練習ができない」。当初はとまどう声もあったが、徐々に考えが浸透。足りない者は休みでも体を動かし、疲労の残る者は思い切って休む。W杯中断期間はJ1最長の16日間も休んだが、再開後は8勝4分け6敗。メリハリの効いた練習スケジュールは、ケガを防ぐという以外の効果ももたらした。

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