【清水】揚げ物類一掃、栄養面や体調管理もサポート…オレンジの躍進<中>

スポーツ報知
10月7日、勝ちロコに加わったヨンソン監督(中央、カメラ・武藤 瑞基)

 J1清水エスパルスはヤン・ヨンソン監督(58)体制1年目の今季、14勝7分け13敗の勝ち点49で8位に食い込んだ。昨季の勝ち点34、14位から大きく躍進。しずおか報知では3回連載でその裏側に迫る。(取材・構成=武藤 瑞基)

 「サッカーに飢えている」。6月下旬、W杯期間中に設けられた16日間の休み明け初日の練習で、選手からはこんな声が漏れた。ピッチには大きな声が飛び交い、体も激しくぶつけ合う。ヨンソン監督は「休みをうまく使うことで気持ちのコントロール、ハングリーになれる」と説明。大胆にオンとオフを使い分け、選手の飢餓感をあおった。

 昨季の反省を踏まえ、クラブもバックアップ体制を拡充した。内藤強化部長が選手に聞き取りを実施。不満の声が出ていた練習後の昼食から揚げ物類を一掃するなど、体作りを意識したメニューとなるよう見直した。月に一度、栄養士のチェックを受け、助言をもらうようになった。選手からは「バランスを考えてくれている」と感謝の声が上がった。

 さらに6月から個々のコンディションを管理するスマートフォンを利用したアプリを導入。起床時に故障箇所、睡眠時間、その日の体調などを入力させ、メディカルスタッフが閲覧できるようにした。「自己管理の意識を高める第一歩。実際に自分で打ち込んで積み重ねていくことで、振り返りにも役立つ」と内藤強化部長。昨季は練習前にマッサージ用のベッドに寝ころんでいた選手が、筋トレ、体幹トレ、エアロバイクなどで体を温めてからピッチに繰り出すようになった。

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