【清水】来季につながる「一体感」…オレンジの躍進<3>

スポーツ報知
11月29日、円陣で訓示するヨンソン監督(後列中央、カメラ・武藤 瑞基)

 J1清水エスパルスはヤン・ヨンソン監督(58)体制1年目の今季、14勝7分け13敗の勝ち点49で8位に食い込んだ。昨季の勝ち点34、14位から大きく躍進。しずおか報知では3回連載でその裏側に迫る。(取材・構成=武藤 瑞基)

 総得点は36→56、総失点は54→48と昨季から大幅に改善。DF黄錫鎬、FWドウグラスの助っ人コンビが大当たりしたこと、FW北川、MF金子が共に初の2桁得点をマークするなど急成長したことも原動力だったが、何より、チームに一体感が芽生えたことは来季への大きな糧となりそうだ。

 10月下旬。FWクリスランが右膝の治療のためブラジルへの帰国が決まると、オフにもかかわらず多くの選手が見送りに集まった。11月の名古屋戦では試合後、全選手がクリスランがプリントされたTシャツを着用。無念の離脱となった助っ人の思いを共有した。

 相手がラフプレーを連発し、大荒れとなった11月末の神戸戦。スタンドで事態を見守っていた選手の中には、清水ベンチに殴り込みに来たウェリントンから仲間を守るため、「自分が行かないと」とピッチに駆け降りていった者もいた。最年長の38歳、GK西部が「ここって時に一丸になれる」と言うように、ベンチ外の選手も含め全員で戦う空気が醸成されてきた。

 来季は急逝した久米一正GM(享年63)が生前、目標に掲げていた5位以内を目指すことになる。「今年やっと0に戻った感じ。ここからがチャレンジ」とGK六反。ようやくできた石垣の上に、どんな城を建てるか。オレンジ軍団の新たな挑戦が始まる。

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