川口能活氏、楢崎正剛は「ライバルという言葉では言い表せない」関係

スポーツ報知
18年12月、現役最後の試合となった相模原・川口(右)をねぎらった楢崎

 名古屋は8日、元日本代表GK楢崎正剛(42)が現役引退すると発表した。1995年に横浜フリューゲルス(F)に入団し、99年に名古屋に加入。2010年にGKでは史上初となるMVPに輝き、クラブ初のリーグ制覇に貢献した。J1歴代1位の631試合出場を誇る守護神は、代表でしのぎを削った盟友のGK川口能活氏(43)、MF小笠原満男氏(39)、DF中沢佑二(40)に続き、ピッチを去る。引退会見は11日に名古屋市内で行われる。

 現役引退した川口氏は、1歳年下の楢崎の引退について、自身のフェイスブックでコメントを発表。「ライバルという言葉では言い表せないほど多くの試合、大会、時をともにした。僕は正剛がいなければ、ここまでやれなかった」と、万感の思いを込めた。

 20代の頃から10年以上代表正GKの座を競い合った時期は、「ギスギスしたものもあった」という。仲が悪かったわけではない。性格やプレースタイルが異なることから比較されることも多く、2人の間に意図しない“壁”ができた。

 代表GK2強時代は10年南アW杯で崩れた。開幕直前に川島永嗣に正GKの座を奪われ、2人でベンチを温めた。「(控えになったのに)正剛の振る舞いは素晴らしかった」。互いを認め合う気持ちが増した。「僕にしかできないこともあれば、正剛にしかできないこともある。年齢を重ね、より認め合い、重圧も分かち合えるようになった」

 自身の引退発表から65日。追うように楢崎もグラブを置いた。「正剛と競う日々で、僕は向上心を持って成長できた。楢崎正剛に出会うことができて幸せ。これからもよろしく」。2人が築いた一時代は終わり、ともに後継者を育てる第2章の幕を開ける。(田中 雄己)

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