【川崎】MF板倉滉、日本人初マンチェスターCに電撃移籍

スポーツ報知
昨年のアジア大会の韓国戦に出場した板倉

 20年東京五輪世代のU―22日本代表MF板倉滉(21)=川崎=がイングランド・プレミアリーグのマンチェスターC入りすることが14日、分かった。関係者によると複数年契約での完全移籍。昨季リーグ制覇した名門に日本人が加入するのは初めてで、近日中にも正式発表される。英国の就労ビザが取得できるまで他クラブに期限付き移籍する可能性もある。

 東京五輪世代の期待の星が、世界的ビッグクラブ入りを果たす。関係者によると、昨季プレミア覇者のマンCは186センチの高さに加え、対人の強さと足元の技術も併せ持つ板倉の実力と将来性を高く評価。U―21日本代表として出場した18年のトゥーロン国際大会(フランス)やJリーグの出場試合など1年以上徹底マークしていた。実力を見極めた上で複数年契約でのオファーを提示した。

 マンCは世界的名将のグアルディオラ監督の下、ベルギー代表MFデブルイネやイングランド代表FWスターリングらを擁し、昨季はリーグ史上初の勝ち点100で4季ぶり5度目の優勝を飾った。常勝クラブを築き上げるため世界中の有望な若手を獲得する強化プランを打ち出しており、センターバックとボランチを高いレベルでこなせる板倉が合致した。

 プロ4年目の板倉は、昨季川崎から仙台に期限付き移籍。ボール奪取力と得点力に磨きをかけ、リーグ24試合で3得点を挙げた。年代別代表で国際経験も豊富のため海外志向は強く「日本の良さである組織としては戦えるが、個人にフォーカスを当てると世界との差を感じる。東京五輪の前にA代表に選ばれるように活躍したい」と語っていた。

 過去にJクラブから直接欧州のビッグクラブに移籍した例はMF稲本潤一(G大阪→アーセナル)とMF宇佐美貴史(G大阪→バイエルン)がある。英国の就労ビザが取得できるまで他クラブに期限付き移籍する可能性はあるが、川崎の下部組織出身の21歳が1年後に迫る東京五輪を見据え、海を渡る決意を固めた。

 ◆マンチェスターC 1887年、英国マンチェスターに創立。本拠地はエティハド・スタジアム(4万8000人収容)。全国区のマンチェスターUを抑え、市内では圧倒的な人気を誇り「真のマンチェスターのクラブ」とも言われる。2008年9月にUAEの投資グループADUGが買収後、膨大な資金力でアルゼンチン代表FWアグエロや元スペイン代表MFダビドシルバらを獲得。16―17年シーズンにペップ・グアルディオラ氏が監督に就任。昨季は4季ぶり5度目の優勝を果たした。

 ◆板倉 滉(いたくら・こう)1997年1月27日、横浜市生まれ。21歳。小学4年から川崎の下部組織入りし、2015年にトップチーム昇格。18年に仙台へ期限付き移籍した。主にセンターバックとボランチを務める。J1通算31試合出場3得点。186センチ、75キロ。右利き。

サッカー

×