【札幌】「赤と黒の男」河合竜二が引退…外見とは真逆で心配りができるコンサドーレの象徴

スポーツ報知
11年1月、札幌ドームで行われた入団会見に臨んだ河合(左から3人目)

 昨季までJ1北海道コンサドーレ札幌でプレーしたDF河合竜二(40)が24日、引退を発表した。現役続行も視野に入れていたが、クラブからフロント入りを熱烈に打診され、決断。2月1日から新設される「コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン」として広報的役割や営業活動などを行っていく。11年の加入から5年連続主将を務めるなど札幌の象徴的存在だった男が、立場を変えてクラブをもり立てる。

 札幌のため、22年間のプロ生活に別れを告げる。河合は悩み抜いた末、引退を選んだ。「日本代表にも入ったことのない自分がここまで長くサッカーをやれたのも、周りの方の支えがあったからこそ」。口にした感謝の思いを2月1日からフロントの立場で示す。

 公式戦未出場に終わった昨季終了後、契約満了を告げられた。同時にクラブからはフロント入りと指導者転身の2つを提案された。一方で「サッカーを全くやれなかったので」と現役も視野に動いていた。年が明けても熟考は続いたが、「クラブと大好きな北海道が、より一体感を持って戦えるように」とピッチ外から後押しすることに決めた。

 2月1日から「コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン」として活動する。9年目を迎えた札幌生活で得た人脈を生かした営業活動、道内各地の知人とクラブをつなぐホームタウン活動の役割も担う。クラブをさらに認知させるためイベント参加や解説業も行う。札幌加入1年目から5年連続で主将を務めた人間力を様々な形で生かす。

 サポーターから「赤と黒の男」とコールされてきた札幌の象徴的存在。ユニホームを脱いでも「変わらず突き進んで参ります!」と、熱い魂で札幌を支えていく。

 ◆河合という男

 男気あふれるシャイボーイ。河合をひと言で表すとそんな感じか。報道陣に囲まれると「頑張ります」のひと言だけで立ち去ろうとし、景気のいい言葉もそれほど出てこない。ただ1対1で明確な意図を持って話すと、しっかり自分の意志を伝えてくれる。被災地支援やボランティア活動には積極的で、継続して行う姿勢には好感を持っていた。

 選手の誕生日会が行われていると聞くと、自身の会合を中抜けして顔を出す。シャンパンを差し出し「人を待たせてるので」とビールを1杯だけ飲み干して去っていく。そんな光景を何度も見た。取っ付きづらそうな外見とは真逆の細やかな心配りで、フロントとしても活躍して欲しい。(札幌担当・砂田 秀人)

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