【札幌】DF福森晃斗が復活のFK弾 J2東京Vと練習試合

スポーツ報知
東京V戦2本目の17分、左足でFKを決める札幌DF福森晃斗(左、右はMF小野伸二=カメラ・砂田 秀人)

◆練習試合 札幌5(1―0、1―1、3―0)1東京V(=45分×3、8日、沖縄・金武町陸上競技場)

 伝家の宝刀の左足が復活ののろしを上げた。沖縄キャンプ中のJ1北海道コンサドーレ札幌は8日、J2東京Vと練習試合(45分×3)を行い、5―1で勝利。DF福森晃斗(26)が1―0の2本目17分、利き足の左でFKを直接決めた。一昨年はFKで3点を決めるも、昨季は1点に終わった。開幕まで精度に更に磨きをかけ、雪辱を果たす。青森山田高から加入したMF檀崎竜孔(18)も3本目の10分、“プロ初得点”を挙げた。

 高い精度の左足が帰って来た。東京V戦2本目の17分。中央20メートルからFKを待つ福森の頭には、得点のイメージが思い描かれていた。「距離も狙いやすかったしいけるかなと。入る気がした」。強く自分の足に当て、壁の上を超えて落とす狙い通りの弾道は、直接ネットを揺らした。「去年決められなかった分、今年はチームのために決めていかないと」。実戦5戦目での初弾に、雪辱への思いを込めた。

 J1に残留した一昨年は、アウェー・大宮戦でロスタイム弾を含む2本を決めて2―2の引き分けに持ち込むなど、直接FKで3点を挙げた。しかし昨季は相手の隙をついてゴロで決めたホーム・神戸戦のみ。J1で最高の4位となるも、ACL切符には届かなかった。クラブ史上初めて3年連続J1で戦う今年、福森の左足が輝きを取り戻せば、ACL初出場の確率は上がる。「流れが悪くても、入ればガラッと雰囲気を変えられるのがセットプレー。練習試合からしっかり意識して蹴ることで、試合でも決めていきたい」。予行演習は着実に進んでいる。

 キックだけではない。GKがボールを持った際など、左サイドの菅より前に行き、外に張り出すシーンを幾度も見せた。「後ろに残ってボールを受けるのもいいが、自分が追い越すことで菅のスペースができて、助ける動きになる」と福森は意図を説明した。前に出る労力は惜しまず、献身さでも勝利に直結する働きを見せる。

 2日に胃腸炎を発症した。39度近い発熱で食事も取れず、1日半、寝たきりとなった。1次タイキャンプは休みなく終えただけに、わずかの離脱も悔しさが募った。ただその原因は苦手な生野菜を、栄養面を考慮して食べたため。より良いパフォーマンスを求めて取った行動は、前向きな姿勢の表れといえる。「年齢的にもより引っ張っていかないと」。自覚を増した福森が、復活の一発から状態を上げていく。(砂田 秀人)

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