【金沢】新戦力〈7〉FW大石竜平「お調子者」の決意「父を抜きたい」

スポーツ報知
ドリブル突破を図る金沢FW大石。俊足を武器に“父超え”を目指す

◆FW大石竜平(22)=国士舘大=

 ルーキーながら早くもピッチ内外で存在感を見せる。大石は1月に行われた新体制発表会見で、金茶色の髪をなびかせ「見てのとおりのお調子者です」とあいさつし、サポーターを笑わせた。「印象が良い悪いは別として、グラウンドでこの色をしていたら『あそこにいるな』と分かる。プレーと一緒に、容姿も目立たないと」と物おじしない。

 ピッチでは50メートル5秒9の俊足を生かし、アグレッシブな攻撃を仕掛ける。自身も「一番見てほしいのは突破のスピード」とアピール。「国士舘大ではFWもやっていた。トップ下もできるが、スピードを生かせるサイド(ハーフなど)がメインかなと思う」と話した。

 超えたい背中がある。父・隆夫さん(54)は、J1磐田の前身・ヤマハ発動機時代からアタッカーとして活躍。1994年3月16日の名古屋戦では、磐田のJリーグ初得点を記録した。95年に31歳で引退し、トップチームのコーチや下部組織の監督などを務め、今もクラブを支える。

 隆夫さんはサッカーに厳しかった。「褒められたことはないし、常に見下されている感じ」と笑う。それでも「それで何くそ、と思って頑張れている部分もある」と感謝も忘れていない。プレーは映像でしか見たことがないが「スタイルは似ているらしい。でも父はもっとアグレッシブだったと言われる。父より長く現役を続けたいし、(選手として)抜きたい」と燃える。

 父超えを目指す第一歩となるシーズン。「スタートでもベンチからでも、戦力として18人にメンバーへ入り続けること。その中で得点やアシストが取れるように」と常に試合に絡める位置にいることが目標だ。積極果敢なプレーで金沢に勝利を運ぶ。(三須 慶太)

 ◆大石 竜平(おおいし・りゅうへい) 1997年1月21日、静岡・磐田市生まれ。22歳。5歳頃からサッカーを始める。磐田U―15、静岡・清水桜が丘高を経て国士舘大に進学。169センチ、65キロ。利き足は右。家族は両親と兄、弟。趣味は人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン」をやることだが、寮内では「一番弱い」。特技は身近な人のものまね。

 ◆主な親子Jリーガー 第1号は神戸、甲府などに在籍経験のあるFWハーフナー・マイク(父・ディド=元名古屋など)。なおマイクの弟のDFニッキも名古屋に所属していた。その他C大阪MF水沼宏太(父・貴史=元横浜M)や、琉球MF風間宏希と岐阜MF宏矢の兄弟(父・八宏=元広島。現名古屋監督)、柏DF高木俊弥(父・琢也=元広島など。現大宮監督)らがいる。

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