【札幌】GK具、18年ぶり開幕勝利導く「いい形で終わりたい」

スポーツ報知
ボールをキャッチし笑顔をみせる札幌GK具聖潤(右)

 北海道コンサドーレ札幌GK具聖潤(24)が、3年目の進化を見せ、J1での18年ぶり開幕勝利へと導く。

 23日アウェー・湘南戦で先発が確定的な具は、J1デビューした一昨年から、2年連続開幕戦に敗れている。J2とのプレーの質の差に戸惑った2017年、フィールドプレーヤーへのつなぎに不安を抱いて迎えた昨年と、苦い経験をしてきた。それを糧とし迎える今季、J1で初の白星発進を飾る態勢は整った。

 開幕を3日後に控えた20日、具が白星発進を誓いに立てた。「スタートは大事だから。いい形で終わりたい」。自身J1で初、札幌にとっても18年ぶりの開幕戦勝利以外、頭にはない。

 過去2年の開幕戦での借りを、返す時が来た。J1デビューとなった2017年の開幕戦は、仙台に0―1で敗れた。「J2では見たことのないシュートやパスでテンポがつかめなかった」と後半39分、ミドルシュートの処理を誤り、こぼれ球を押し込まれた。「J1はより集中してやっていかないといけないと思わせてくれた試合。仙台戦があったからここまで来られたと思う」と貴重な敗戦と捉え、成長への糧としてきた。

 昨季は広島に0―1で敗れた。ペトロヴィッチ監督就任1年目。キャンプでは自身も含めた守備陣でのつなぎを徹底された。「キャンプ前から自分に出来るのか、俺は試合に出られるのかという思いもあった。実際にやってみても難しくて、開幕時にはまだその技術がなかった」。気持ちの揺らぎと足元の技術への過度な意識もあり、2年連続で屈辱を味わった。

 J1開幕戦での2度の苦い経験を経て迎える今年、心身とも不安要素はない。「34試合全てに出て、昨年よりはつなぎの面で監督の求めるものを出せるようになっている。開幕が楽しみです」とほほ笑んだ。

 その自信で、指揮官の目指す超攻撃的スタイルを実践する。今オフは前めの位置で勝負する世界各国のGKの映像を何度も見た。「現代サッカーではGKがリベロのような役割をするのは当たり前。今年はより高い位置を取るようにして、奪ったらすぐカウンターに行ける準備をしていく」

 最後方から攻撃参加し、ピンチは昨季J1で3位となった高いセーブ率で防ぐ。より攻守に躍動する姿を具が開幕戦から見せ、勝ち点3をつかむ。(砂田 秀人)

サッカー

×