【F東京】久保の衝撃進化を健太監督絶賛「堂安が欧州に行く前ぐらいのレベル」

スポーツ報知
後半、川崎・家長(右)をかわして力強くゴールに向かうF東京・久保(カメラ・竜田 卓)

◆明治安田生命J1リーグ第1節 川崎0―0F東京(23日、等々力)

 明治安田生命J1リーグが各地で行われ、F東京は昨季王者・川崎と敵地で0―0と引き分けた。開幕戦では史上3番目に若い17歳8か月19日で先発したU―20日本代表FW久保建英はポスト直撃のFKを放つなど存在感を発揮。長谷川健太監督(53)に「堂安(律)が欧州に行く前ぐらいのレベルに来ている」と絶賛された。急成長を遂げた理由を、F東京担当の井上信太郎記者が「読み解く」。

 “その時”がやってきたのかもしれない。試合後の会見で久保のプレーについて問われた長谷川監督は「素晴らしいの一言。堂安が欧州に行く前ぐらいのレベルまで来ている」と褒めたたえた。前半41分には久保自身も「入ったと思った」と振り返る右ポスト直撃の直接FKを放った。J1開幕戦の最年少弾こそならなかったが、17歳の存在感は際立っていた。

 成長を感じた瞬間が2度あった。前半39分、右サイドで元日本代表DF車屋に体をぶつけてボールを奪い、攻撃に転じた場面。そして後半29分、相手にカウンターを仕掛けられ、右サイドのMF家長が逆サイドのMF斎藤へパスを出した場面。パスが通る直前、疲れがたまっていた状態にもかかわらず、前線から必死に戻ってクリアしたのが久保だった。

 この切り替えの速さは昨夏のロシアW杯で学んだ。久保はU―19代表の一員としてロシアに遠征し、日本代表のサポートメンバーを務めた。そこで感じたのは強さやうまさではなく「切り替えが半端ない」こと。武藤嘉紀や岡崎慎司ら同じ前線の選手の攻から守、守から攻への切り替えの速さに目を奪われた。

 昨年は実践するまでに至らなかったが、今季は肉体的に成長。1日に行ったフィジカルテストでは軒並み数値が上昇した。沖縄・糸満キャンプ最終日の9日に行われた名古屋との練習試合では、1得点を挙げた上にチーム2位の走行距離をマークした。ロシアW杯での経験+肉体的な成長が、今の久保を作り上げていると感じる。

 長谷川監督は清水時代に岡崎、G大阪時代には宇佐美貴史や堂安ら、代表クラスの選手がブレイクする瞬間を見てきた。昨年、久保が試合に出られない時には、こう予見していた。「岡ちゃんも、宇佐美も、堂安も、試合に出られない時はあったけど、本当に力のある選手は必ずはい上がってくる。久保も必ずそういう時がやってくる」と。堂安は18歳で迎えた17年のU―20W杯(韓国)で突き抜けた。今年は5月に同W杯がポーランドで行われる。堂安より1年早い17歳で迎える久保のブレイクする瞬間が、楽しみでならない。(井上 信太郎)

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