【甲府】開幕戦で完封!約3000人のサポーターが後押し 伊藤監督「最低限の勝ち点1」

スポーツ報知
大宮・菊地(右)と競り合う甲府・ドゥドゥ(カメラ・古川 浩司)

◆明治安田生命J2リーグ第1節 大宮0―0甲府(24日、NACK5)

 伊藤彰新監督(46)率いるヴァンフォーレ甲府が、アウェーで大宮と開幕戦を戦い、0―0で引き分けた。ベテランDF山本英臣(38)が決定機を防ぎ、GK河田晃平(31)が好セーブするなど、J1昇格を争うライバルにゴールを許さず、勝ち点1を奪った。約3000人のサポーターが詰めかけ、無失点開幕を後押し。3月2日の次節、アウェー・山口戦につながるドロー発進だった。 勝ち点3を得られなかった悔しさはあるが、イレブンの表情からは手応えを得たことをうかがわせた。昨季J1昇格プレーオフに進んだ大宮とのアウェー開幕戦。3―4―3と同じ布陣同士。局地戦は激しく、後半にペースをつかんだ。MF佐藤和弘(28)は「勝ち点1はデカイ」とスッキリとした表情でうなずいた。

 敵地での開幕戦を無失点だったのはJ1時代の16年の神戸戦(2〇0)以来3年ぶりとなる。J2では09年の岡山戦(0△0)以来10年ぶりだ。平均年齢31・55歳のベテランたちが、アウェー開幕の難しい雰囲気に対応し、激しさと冷静さを併せ持って戦った。

 FW横谷繁(31)は昨季までの古巣相手に球際で負けなかった。そこでひときわ輝きを放ったのが、最年長の山本だった。188センチ、90キロと屈強な大宮の新外国人FWフアンマに、175センチの大ベテランは円熟のポジショニングと読みで思い通りのプレーをさせなかった。10年務めた主将を24歳のDF小出悠太に譲り、副主将で臨む今シーズン。小出が練習試合での負傷で欠場したため、キャプテンマークは今季開幕戦でも山本の腕に巻かれた。「(同じ副主将の)佐藤和が付けると思ったが、監督が託してくれた。久しぶりにファイトできた。幸せに感じました」と振り返った。

 「満足はできないが、最低限の勝ち点1。大宮は昇格を争うナンバー1、2の力を持つチームだなと思った」と伊藤監督は相手の力を認める一方で、目標の勝ち点3を逃し、厳しい表情を緩めることはなかった。新体制の始動は1月15日。4バック布陣に挑戦するなど、組織戦術の確立に大半の時間を費やしてきており「攻撃に関してはまだまだ」と認める。伝統の3バックは無失点と盤石。そこに、ウタカ、ドゥドゥらJ2トップクラスのタレントがそろう前線に火が付けば、戦国J2を勝ち抜く伊藤ヴァンフォーレが完成となるはずだ。(西村 國継)

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