【横浜C】カズ、52歳で「先発ゴール」だ 80万円真っ白スーツでまっさらな決意

スポーツ報知
52歳の誕生日を迎え、白スーツ姿に赤いバラを手にポーズをとる横浜C・三浦(カメラ・中島 傑)

 26日に52歳の誕生日を迎えた元日本代表FW三浦知良=横浜C=が27日、横浜市内のクラブハウスで会見した。特注の真っ白なスーツに身を包んだカズは「長い時間出たい。FWですし、ゴールやアシストにこだわりたい」と自身が持つ最年長出場、最年長得点の両Jリーグ記録を更新する覚悟を示した。出場が期待される52歳初陣のホーム開幕・山形戦(3月3日、ニッパツ)に注目が集まる。

 まるで10代のように、目を輝かせて言った。約50人の報道陣から特大ケーキと52本の赤いバラを贈られたカズは「18歳でプロになった時と情熱は変わらない。むしろ増している。情熱が一番の原動力」と52歳の心境を口にした。

 昨年は黄色のスーツを着て「5人抜きをして、ゴールを決めて、マラドーナやメッシを驚かせたい」と掲げた。だが、リーグ戦出場は9試合のみで、その全てが途中出場だった。リーグ戦の先発は、17年4月15日の町田戦から約2年間遠ざかっている。「もう色が、これしかなかったので」と笑顔を浮かべたが、初心に帰る思いもあったのだろう。今季は約80万円のスーツと靴下まで「白」でそろえ、まっさらな思いを口にした。「先発にこだわりたい。FWなのでゴールやアシストをして勝利に貢献したい」。自身が持つ51歳8か月9日の最年長出場、そしてギネス世界記録となる50歳14日の最年長得点記録の更新を誓った。24日のJ2開幕・長崎戦(0●1)では遠征に帯同しながらベンチ外に終わっただけに、52歳初陣となる3月3日のホーム山形戦へ気合を入れた。

 誕生日の26日には、天皇陛下の即位30年を祝う宮中茶会に招待された。「緊張でしたね。皇后陛下には、『一度お話ししたかった』と話していただいた。『また遊びに来てください』とおっしゃってくれたけど、どこに行けばいいのかな」と報道陣を笑わせた。

 82年にプロを目指して単身ブラジルに渡り、37年がたった。顔には深いしわが刻まれ、白髪も目立つようになった。元号は昭和から平成、そして5月からは新たな時代を迎える。ピッチで誰よりも長く走り、シュートを打ち続ける姿は健在だ。「30年間でこれだけの成功を収めたリーグはなかなかない。ずっと皆から愛されるリーグにしたいとやってきた。それは、これからも変わらない」。永遠のサッカー小僧であり、52歳のキング。カズの思いは、新たな時代も変わることはない。(田中 雄己)

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