【宏太’Sチェック】荒野&深井、Wボランチ光る

スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ第2節 浦和0―2札幌(2日・埼玉)

 文句のつけようがない素晴らしい内容の浦和戦だった。開幕戦に負けているだけに、普通の監督なら守ってカウンター狙いをイメージするもの。しかしペトロヴィッチ監督は2トップにして相手の3バックに重圧をかけ続け、後ろの選手が前に出やすい攻撃的な状況を作った。監督の戦術に対する感覚の鋭さが、勝利の大きな要因となった。

 2得点の鈴木ら前線の選手は当然良かったが、荒野と深井のWボランチが試合を安定させたといえる。大きな仕事こそしてないが、90分戦う姿勢を出し続けるので戦力として計算できる。追い掛け過ぎる場面もあるが、効率よく動くより、今の札幌にはむしろ合っている。ピンチを救うと同時に攻撃につながる芽を見つけられる2人は、経験を積むことで更に成長していける。

 4万人超えの観客が来た敵地での快勝は、相当な自信になったと思う。ただACL出場の目標を達成するには、浦和戦のような試合を数試合続けて行くことが必要。ここまで出場機会のない選手は、定位置を奪うためにはこれくらいやらなければいけないという基準が分かったはず。壁は高いが、まず6日が初戦となるルヴァン杯で個をアピールして、リーグ戦の選手層に厚みを加えられる存在が出て来て欲しい。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)

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