【札幌】ホーム開幕戦12年ぶり白星5発で飾った!ミシャ監督の超攻撃的スタイル体現

スポーツ報知
試合終了後、ホーム開幕戦に集まったサポーターと「ススキノに行こう」を歌うMFアンデルソンロペス(中央)(カメラ・川上 大志)

◆明治安田生命J1リーグ第3節 札幌5―2清水(9日・札幌ド)

 北海道コンサドーレ札幌が清水を5―2で下し、J2時代の07年以来12年ぶりにホーム開幕戦を白星で飾った。前半19分にFW鈴木武蔵(25)の2試合連続ゴールで先制。同ロスタイム2分にPKで今季初得点を記録したMFアンデルソンロペス(25)がJ1ではクラブ初の1試合4得点を決め、2連勝した。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(61)の超攻撃的スタイルを体現した大勝で順位は2位(暫定)に浮上した。アンデルソンロペスのハットトリックは今季J1初で通算233回目。

 90分間、攻撃の手を緩めなかった。前半19分に鈴木の先制弾で始まり、AロペスがJFL時代を含めたクラブ史上3人目となる4得点を挙げての圧勝。11年間勝てなかった本拠地開幕戦を制した。ペトロヴィッチ監督は「仕掛け続けたからこその5得点」と攻めの姿勢を貫いての結果に納得の表情をみせた。

 新加入の2人が躍動した。前半19分、DF宮沢のスルーパスに「タイミング良く抜け出せばチャンスになると思い走った」と先制点を決めた鈴木は長崎から。「4点取ったのは初めて」と興奮したAロペスは韓国のソウルからやってきた。3試合で全7得点を挙げる2人の活躍は、クラブが思い描いた通りだった。

 16年オフ、リオ五輪代表世代をリストアップした中に、鈴木の名はあった。ただ、クラブ幹部は「まだ絶対的戦力になり得ない」と獲得は見送られた。それから2年。昨オフ、昨季J1最下位の長崎で11点し、FW補強で最上位に位置づけられた。「うちのサッカーにマッチする」(クラブ幹部)と評価を変えた。

 Aロペスも同じだった。2年前まで在籍した広島時代、周囲の評価は「粗削りで自己中心的」。しかし札幌の幹部は「能力だけでなく、性格的にも活躍できるのは想定通りだった」と言う。足元の技術は高く、性格もまじめ。規律を重んじる指揮官の指導を受ければ、素質が開花するという確信からオファーした。

 2人の相性の良さを示す場面もあった。前半ロスタイム、左からドリブルで相手陣に進入した鈴木が、PKを獲得した。「ロペスにまだゴールがなかったので。プレゼントした」と鈴木が言えば、Aロペスは「先にボールを奪えば蹴らせてくれるだろうと。その通りに『蹴っていい』と言ってくれた」と感謝した。3戦目で信頼関係が築かれている2人。その絆が更に深まるにつれ、札幌の攻撃力は上がっていく。(砂田 秀人)

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