【清水】テセ、土壇場ドロー弾 スター軍団神戸から貴重な勝ち点“1”

スポーツ報知
後半43分、同点ゴールを決め、チームメートと喜ぶ清水FW鄭大世(右)

◆明治安田生命J1リーグ第4節 神戸1―1清水(17日・ノエスタ)

 清水エスパルスは神戸と1―1で引き分け、敵地で貴重な勝ち点1を挙げた。後半4分、守備陣のミスから先制点を献上。だが同43分、FW鄭大世(35)が今季1号を決めて追い付いた。開幕からの勝ちなしは4に伸びたが、連敗を2で止めた

 敗戦ムードを吹き飛ばした。後半43分、クリアを拾った清水DFエウシーニョから受けたテセはトラップから左足を振り抜く。弧を描いたボールがファーに吸い込まれた。「あんなゴール決めたことがない」。自身も驚いたJ1通算64点目で土俵際のチームを救った。「負けていたらメンタルにも影響する。最後の所で持ちこたえる助けができて良かった」と35歳は胸を張った。

 一昨年、チーム唯一の2桁得点を挙げた男も、昨季はFWドウグラスらに押され定位置を失った。アピールしたい気持ちが先行し、ヤン・ヨンソン監督(58)の求めるプレーを体現できずにどなられた日もあった。実績は群を抜くベテランが「ボールを受けるのが怖い」とさえ言った。

 だから今年は考え方を変えた。「自分のスタート地点は決まっている。失うものはない」。感情に左右されず、その日その日に全力投球する。「1日1日を幸せにできればいい」。思い詰めていた表情が変わった。攻撃練習では嬉々(きき)としてシュートを打った。「できないことはやらない」と割り切り、下がって攻撃を組み立てるのではなくポストプレーなどで存在感を発揮。13日のルヴァン杯・磐田戦ではPKに失敗したが「あれだけ練習してきたし周りも何も言わない。気にならなかった」とプラス思考を貫いた。

 ミスから失点したものの、アグレッシブな守備からカウンターを仕掛ける自分たちらしいスタイルでスター軍団を上回る18本のシュートをマーク。2戦9失点していた大敗ショックは払拭できた。指揮官も「求めていた守りができた。交代の3人も役割を果たしてくれた」と評価。次は2週間後、31日にホーム湘南戦。貴重な勝ち点1を今後の糧にする。(武藤 瑞基)

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