【G大阪】東口、完封!今度こそ日本の守護神に「いい勝利やったと思う」

スポーツ報知
後半、川崎・レアンドロダミアンと交錯しながらボールをセーブするG大阪・GK東口(左)(カメラ・越川 亘)

◆明治安田生命J1リーグ第4節 川崎0―1G大阪(17日・等々力)

 G大阪は後半アディショナルタイムに奪った日本代表DF三浦弦太(24)の決勝ゴールで、川崎に1―0と勝利した。守備でも日本代表GK東口順昭(32)が、好守で今季初完封に貢献。1月のアジア杯で出場なしに終わった32歳の東口が、もう一度日本代表の正守護神を目指すべく敢行している意識改革とは―。22日・コロンビア戦、26日・ボリビア戦を控え、G大阪担当の金川誉記者が「読み解く」。

 耐え抜いた末の勝利は、GKにとって格別だったはずだ。前半から好セーブをみせていた東口は、後半39分にはクロスに飛び込み、リーグ3連覇を狙う王者・川崎の元ブラジル代表FWレアンドロダミアンに後頭部を蹴られながらも守り抜いた。シュート数はG大阪7本に対し、川崎15本と押された中でつかんだ勝利に「改善点はあるけど、いい勝利やったと思う」と納得の表情をみせていた。

 開幕から好パフォーマンスをみせ、日本代表としてアジア杯後初の親善試合(コロンビア戦、ボリビア戦)にもチーム最年長で招集された。11年の初代表入りから森保監督まで5人の代表監督から選ばれてきたが、正守護神をつかんだことはない。ロシアW杯まではGK川島の壁を破れず、川島不在だった今年1月のアジア杯でもGK権田にレギュラーを奪われた。アジア杯では直前の練習試合で権田とシュミットが起用され、自身が3番手だと悟った時には、悔しさからか目は真っ赤に充血していた。

 GK最大の仕事は、シュートを止めることだ。取材する中で、抜群の反射神経を誇る彼のシュートストップは日本屈指だと感じた。しかし磨き続けた技術をもってしても、代表の正GKに届かない。やり場のない悔しさを受け入れ、向き合ったのは自身の課題だった。

 「今までは止めるだけのGKだった。それじゃ、あかんなと」。今チームに何が足りないのか、自分はどう働きかけるべきなのかを考え抜く。そんな視点、リーダーとしての振るまいが欠けていたと気付いた。GKは練習もチームとは別となる特殊なポジション。それでも可能な限り、ピッチ内外でチームに目を配るようになった。DF三浦ら若手に気付いた点はすぐに伝え、一緒に改善方法を考えるようになった。

 「効果が出ているのかはわからない」と本人は言うが、G大阪の松代直樹GKコーチ(44)は確かな変化を感じていた。「今日の試合でもハーフタイムにしっかりと声をかけていた。周りを見ることで、本人はいらいらした姿を見せることも少なくなった。まだまだ成長しますよ」と同コーチは語る。より大きな影響力を放つGKへ。ラストチャンスと定めた32歳で挑む代表でのレギュラー取りを目指し、18日から代表合宿に合流する。

 ◆東口 順昭(ひがしぐち・まさあき)1986年5月12日、大阪府生まれ。32歳。G大阪ジュニアユースでは元日本代表MF本田、家長と同期だったがユースには昇格できず。洛南高、福井工大、2年時に編入した新潟経営大を経て09年に新潟入り。14年にG大阪へ完全移籍。日本代表には11年に初招集され、15年8月の東アジア杯・中国戦でデビュー。代表通算7試合9失点。184センチ、78キロ。

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