なぜイランは強いのか“レギュラー4人”の変幻自在布陣「自分たちのサッカー」など存在せず

スポーツ報知
イランの予想布陣

◆アジア杯 ▽準決勝 日本―イラン(28日、UAE・アルアイン)

 準決勝で日本と対戦するイランは27日、会場のハッザ・ビーン・ザイードスタジアムで公式練習を行い、日本戦に向けた調整を行った。

 ◆対アジア公式戦39戦無敗

 イランに“レギュラー”は4人しか存在しない。GKベイランバンド、FWアズムンら4人がチームの「幹」。その他の「枝葉」には、相手や志向する戦術によって様々な選手を起用する。世界的に有名な選手がいないイランが、対アジア公式戦39戦無敗を誇るワケ。それは「自分たちのサッカー」といった幻想にとらわれず勝利への近道を見定め、戦術を自在に変える「超現実主義戦法」にある。

 ◆自在なポジション変更

 相手の快足FWには快足DFを対面させ、司令塔には潰し屋タイプをぶつける。複数のシステムを使い分け、試合中も自在にポジションを変更。時に2バックで猛攻撃を仕掛け、時に5バックで守りに徹する。ケイロス監督体制は2011年からの長期政権で、ロシアW杯メンバーも20人在籍。森保ジャパンも相手によって戦い方を変える「対応力」という強みがあるが、イランの変幻自在の徹底ぶりと浸透度は、日本より一枚も二枚も上だ。

 ◆劣勢はね返す“飛び道具”

 試合展開に左右されない“飛び道具”があることも大きな強み。GKベイランバンドは約75メートルのスローイング飛距離を誇り、MFアミリらロングスローを武器とする選手も3人。今大会初戦でFKを沈めたMFデヤガら直接FKを得意とする選手も多くいる。

 ◆13年半ぶりの公式戦対戦

 ともにW杯常連国でありながら、公式戦での対戦は約13年半ぶり。公式会見に出席したMFショジャエイは「今大会の全試合の中で最も激しく、魅力的な試合になるでしょう」と予言した。不思議と相まみえる機会が少なかった東西アジアの雄同士の対決。お互いの意地とプライドを懸けた激戦になるだろう。(岡島 智哉)

 ◆イラン 西アジア・中東のイスラム共和制国家。首都はテヘラン。世界有数の石油の産出地。1979年のイスラム革命で現体制に。面積は約164万平方キロ(日本の約4・4倍)。人口は約8000万人。公用語はペルシャ語。

サッカー

×