【ロシアW杯ここに注目】大会公式球「テルスター18」本田蹴りにくい!?ブレ球よりカーブ

2018年6月6日10時0分  スポーツ報知
  • W杯ロシア大会で使用される公式球「テルスター18」(ロイター)

 「ここに注目」の第10回は、ロシア大会の公式球「テルスター18」を徹底分析。スポーツ工学を研究する筑波大の浅井武教授(61)が風洞実験を行い、西野ジャパンの命運を握る“勝負球”を丸裸にした。(取材・構成 田中 雄己)

 浅井教授は筑波大構内で「テルスター18」の風洞実験を行い、10年南アフリカ大会の「ジャブラニ」や14年ブラジル大会の「ブラズーカ」と比較。特徴を3つ挙げた。

 〈1〉中速のパスがよく飛ぶ 「前回のブラズーカとよく似ている。2つとも中国の工場で作っていることもあり、材質も接着の仕方も似ている」と分析。パネルの枚数は同じ6枚で、1枚あたりの縫い目の距離が長く、溝が浅い。縫い目の長さは、32枚のパネルで構成されていた昔のボール(02年日韓大会まで使用)と同等だ。「空気抵抗は抑えられているが、前回同様に中速(時速20~40キロ)のパスはよく飛ぶ」ため、スピーディーなパスワークが効果的になりそうだ。

 〈2〉ブレ球よりもカーブ球 不安定さが抑えられ、予測不可能なトリッキーな軌道は出にくい。その一方で、カーブボールは正確に曲がりやすい。「中村俊輔や遠藤保仁のように正確なキックでカーブを描ける選手はやりやすいのではないか。うまさが顕著に表れる」。南アW杯のデンマーク戦で本田が決めたFKのようなブレ球は蹴りにくく「GKとしてはやりやすいのでは」と予測する。

 〈3〉ボールの面を把握せよ 前回の公式球と最も異なる部分は、どこを蹴るかによって大きく軌道が変わること。曲線の縫い方が大きいブラズーカとは違い、テルスター18は直線的なデザイン。それが影響し、蹴る面によって球質が異なる。練習から回数を蹴り込み、自分好みのボールの面を把握することが重要だ。変化を“操る”ことができれば、ボールを自在に設置することが可能なFKやCKのセットプレーは大きな武器になりそうだ。

 ◆浅井 武(あさい・たけし)筑波大の人間総合科学研究科教授。1956年9月12日、名古屋市生まれ。61歳。筑波大大学院卒。学生時代は体育会蹴球部でDFとしてプレー。スポーツ科学、技術領域において国際研究プロジェクトやスポーツ企業との共同研究など多岐にわたる活動を行う。著書は「見方が変わるサッカーサイエンス」(岩波書店)など多数。

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