乾貴士、“セクシーフットボール”でW杯初ゴール…長友が演出

2018年6月25日5時8分  スポーツ報知
  • 前半、柴崎からのロングフィードを受けた長友(左)が、後方の乾に預け同点ゴールを演出した(カメラ・竜田 卓)

 ◆W杯ロシア大会▽1次リーグH組 日本2―2セネガル(24日、エカテリンブルク)

 FIFAランク61位の日本は同27位のセネガルと2―2で引き分けた。前半34分にMF乾貴士(30)=ベティス=、後半33分にMF本田圭佑(32)=パチューカ=の日本人初の3大会連続弾で、W杯で初めて2度のビハインドを追いついた。本田は代表で661日ぶりのゴール。32チームによる現行方式となった98年フランス大会以降、初戦から勝ち→引き分けの場合は19チーム中16チーム(84・2%)が1次リーグを突破している。最終戦のポーランド戦(28日)で引き分け以上なら自力で2大会ぶりの決勝トーナメント進出が決まる。

 磨き続けてきた技術の結晶だった。0―1の前半34分。ペナルティーエリア内左でボールを受けた乾は、力の抜けたフォームで右足を振った。DFの間を抜けたシュートがゴール右のサイドネットへ。初戦は決定機でシュートミスするなど硬さが見えた初のW杯だが、後半33分には本田のゴールもアシスト。勝ち点1に大きく貢献し「どこかでああいうシュートを打ちたいと思っていた。思い切って打った結果が良かった」と胸を張った。

 地元チームでプレーしていた7歳上の兄の影響もあり、本格的にセゾンFCでサッカーを始めたのは小学1年の10月から。当時は大の阪神ファンで、野球少年でもあった。小学校時代は2度、サッカーをやめると言い出したことも。センスの高さから年上のチームに入れられることが多く、それを「楽しくない」と嫌がった。当時の監督に説得されて続けたが“サッカーを楽しみたい”という思いは、子どもの頃から今も変わらない。

 徹底的に個人技を磨くセゾンで次第にサッカーにのめり込むと、セゾンのメンバーとともに進学した野洲高で全国制覇。ドリブル以外は禁止の紅白戦を取り入れるなど、個人技を重視するスタイルは“セクシーフットボール”と称された。この頃から思い描いていた夢は「スペインでプレーする」。技術の高いスペインリーグにあこがれ、15年には夢をかなえてエイバルへ。ドイツのようにフィジカルを重視するリーグと違い、技術の高い選手が評価される“スペインの水”が乾にぴったりと合った。

 一方で日本代表とは長く縁がなかった。C大阪時代にコンビを組んだMF香川が日本代表の中心へと成長していく中で、定着できない時期が続いた。そんな背景もあり、乾の実家ではライバル香川の話は“禁句”だった時期も。しかしスペインで結果を出し続けたことが評価されて滑り込みでメンバー入りすると、日本を救う大仕事を果たした。

 メンバー入り後、滋賀に住む家族に「頑張るんじゃなくて、楽しんでくる」とメッセージを送った。この日はゴールやアシストの他にも、浮き球への吸い付くようなトラップなど、“セクシー”な持ち味を十分に披露。死力を尽くした戦いの中、その小さな体でサッカーの楽しさを存分に表現してみせた。

日本代表
注目トピック
報知ブログ(最新更新分)一覧へ