八村&ファジーカス、東京五輪へつないだ 崖っぷちから連勝で2次予選進出

スポーツ報知

◆バスケットボール男子 ▽W杯アジア1次予選 日本108―68台湾(2日、台北)

 日本は台湾を108―68で下し、通算成績2勝4敗のB組3位で19年W杯(中国)の出場権がかかるアジア2次予選(9月~19年2月)進出を決めた。残り2試合を残して0勝4敗と敗退の危機から一転、6月からチームに合流した米ゴンザガ大で活躍する八村塁(20)、日本国籍を取得したファジーカス・ニック(33)=川崎=の救世主2人の活躍で6月29日のオーストラリア戦に続き、連勝。崖っぷちからはい上がり、自国開催の20年東京五輪出場へも望みをつないだ。

 負ければ東京五輪が絶望的となる危機を乗り越え、希望をつないだ。前回1点差で敗れた台湾に、第1クオーターから10点以上の差をつける最高のスタートダッシュを切ると、大黒柱のファジーカスが多彩なシュートで32得点と躍動。触発されるように、エース・比江島慎(27)=三河=も17得点、さらに八村が13得点と続き、100点ゲームで圧倒。八村は「日本のバスケが楽しみになってきた」と声を弾ませ、比江島は「苦しい時もあったが未来につながる」と喜んだ。

 0勝4敗と崖っぷちの状況から招集された2人の男が日本を救った。203センチの八村は「日本が負けているのはうれしくない」と自ら参戦を強く希望した。米国では未来のNBAプレーヤーたちと戦う毎日で「体が大きくなって(相手とぶつかりながら)シュートを入れることや、闘争心も成長した」と胸を張る。守備や1対1、リバウンドとオールラウンドなプレーで、日本を次のステージへと導いた。210センチのファジーカスは、日本がこれまで弱点としてきたゴール下で、対戦国と互角に張り合った。2人の加入で平均身長は前回の台湾戦の191・9センチから193センチに。わずかの差だが、リバウンド数は急増。前回は台湾よりも9本少なかったが、今回は8本上回り、試合の主導権を握った。ラマス監督も「(2人が)入り、チームが一気に強くなったのは明らか」と言い切っている。

 敗退危機から、劇的な2連勝を収めたが、まだ1次予選が終わっただけ。2次予選では、再び世界ランク10位のオーストラリア、同30位のフィリピン、さらに同24位のイランなど同48位の日本より格上チームがズラリと並び、さらに厳しい戦いが待っている。八村の参戦は現時点で未定だが、東京五輪の開催国としてのプライドを胸に、アジアで負けるわけにはいかない。

 ◆バスケ男子代表の東京五輪への道 東京五輪の出場枠は12。日本は開催国枠での出場が確約されておらず、五輪の予選を兼ねる19年W杯(旧世界選手権)で国際バスケットボール連盟(FIBA)にアピールしなければならない。W杯に出場するためには、1次予選を突破し、12チームで争う2次予選で7位以上に入らなければならない。開催国枠の最終判断は19年夏のFIBA中央理事会で下される。

 ◆八村 塁(はちむら・るい)1998年2月8日生まれ。20歳。富山県出身。富山市立奥田中に入学後、バスケを始める。明成高(宮城県)で全国高校選抜大会3連覇。ゴンザガ大(米国)で16―17年に全米大学選手権準優勝。17―18年は1試合平均20・7分出場で11・6得点。

 ◆ファジーカス・ニック 1985年6月17日、米国生まれ。33歳。ネバダ大学卒業後、07年のNBAドラフト2巡目でダラス・マーベリックスから指名を受ける。08年にロサンゼルス・クリッパーズに移籍。その後は、ベルギー、フランスなどでプレー。12年に来日し、東芝(現・川崎)に加入。Bリーグで16―17年シーズンのMVP、得点王、ベストファイブに選出。

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