【ウィンブルドン】錦織、日没11分前にストレート決着 2年ぶり16強

スポーツ報知
錦織のウィンブルドン予想対戦表

◆テニス ウィンブルドン選手権第6日 ▽男子シングルス3回戦 錦織圭3(6―1、7―6、6―4)0ニック・キリオス(7日、英ロンドン)

 【7日=大和田佳世】男子シングルス第24シードの錦織圭(28)=日清食品=が2年ぶりに16強入りを果たした。日没が迫る中、第15シードのニック・キリオス(23)=オーストラリア=の高速サーブを攻略し、1時間37分でストレート勝ち。女子シングルス3回戦で大坂なおみ(20)=日清食品=は元世界1位のアンゲリク・ケルバー(30)=ドイツ=に敗れた。8日は休養日で、9日に男女シングルス4回戦などが行われる。

 夕闇が迫る中で錦織の集中は研ぎ澄まされていった。第3セット第10ゲーム。「球を見るのがキツい。タイブレイクにいったら、つらい」。4度目のマッチポイントで206キロのサーブを拾い、相手のミスを誘った。「芝(コート)人生でトップのプレー」。日没まであとわずか11分。1時間37分の短時間決着に、気合の入ったガッツポーズを見せた。8日は休養日のため、順延なら中1日で9日に再開する長期戦を回避できた。

 前の2試合が長引き、試合開始は午後7時27分。「午後9時15分ぐらいまで(試合が)できると聞いていた。キリオスも『終わるはずないよね』と話していた」。言葉とは裏腹にウォームアップを長めにし、体を十分に温めて「先にリードしたい」とエンジン全開で臨んだ。構えから打つまでが早いフォームから飛んでくるキリオスの200キロ近い第1サーブに「たまたま読みが当たって」第1セットはリターン得点率56%をマーク。屈指のビッグサーバーに「他の選手なら触れもしないのに圭は返してくる。パニックになった」と言わしめ15分で先取した。

 初めて16強入りした14年大会は順延のすえ、休養日を挟む3日がかりの試合で3回戦を突破したが、4回戦で敗退。「本気でやれば優勝候補」と警戒していたキリオスを倒して上機嫌になり、会見場にはバナナを食べながら登場。質疑応答の終盤には「ちょっとトイレに行きたい…」と訴えるマイペースぶりも発揮した。

 日本人では95年の松岡修造以来となる8強入りをかけた4回戦(9日)は世界ランク138位のエルネスツ・ガルビス(29)=ラトビア=と対戦する。14年の全仏4強で今大会は予選から勝ち上がり、将来のNO1候補の呼び声高いA・ズベレフ(ドイツ)を3回戦で破るなど勢いがある。「サーブが強烈なのでリターンがカギになる」。侮ることなく、初めての準々決勝進出をつかむ。

 ◆ウィンブルドンのルール

 ▽日没順延 午後9時を目安に日没順延が検討される。全仏も同様。センターコートに屋根と照明はあるが、ナイターは行わず補助的利用だけ。全豪、全米は屋根、照明付きのセンターコートでナイトセッションがあり、観戦には昼とは別のチケットが必要。

 ▽休養日 大会期間中日の日曜日は「ミドルサンデー」と呼ばれ、前日に順延が発生しても試合は行わない。雨が続き進行が遅れた16年は12年ぶり4度目の開催。練習コートや報道ルームは時間限定で開く。

 ◆9日のテニス放送 WOWOWライブ(19時25分~、25時~)で男女シングルス4回戦を生放送

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