奥原「西野JAPANマット」でV2だ

スポーツ報知
奥原が使用するマットレス「AiR」の構造を示す西川産業の須藤健二朗さん

 【30日=細野友司】開幕して1回戦が行われ、女子シングルス2連覇を目指す奥原希望(23)=日本ユニシス、写真・共同=は、初戦の2回戦でレイチェル・ホンダーリック(カナダ)と対戦することが決まった。男子シングルスで第14シードの西本拳太(23)=トナミ運輸=はマッダローニ(イタリア)に21―13、21―18で勝って大会初白星。混合ダブルスの小林優吾(23)=トナミ運輸=、松友美佐紀(26)=日本ユニシス=組も2回戦に進んだ。

 第8シードで臨む奥原の2連覇ロードは、ホンダーリック戦(31日以降)から始まる。くしくも昨年大会の2回戦と同じ顔合わせで、今回が通算2度目の対戦。前回はフルセットの末に勝利したが、簡単な相手ではない。「もう1度、挑戦者の気持ちで臨みたい」と表情を引き締めるように、1戦必勝が連覇の鍵となる。

 吉兆もある。奥原が今大会にも持参している携帯用マットレス「AiR」をロシアW杯のベースキャンプ(カザン)で使ったサッカー日本代表が、2大会ぶりに16強入りと躍進した。奥原は5年前から睡眠の質を高めるために使用。バドミントン現代表で唯一、サポートを受ける。「できるだけ同じ環境で眠れた方が良い。他の人より遠征の荷物が多いです」と笑う。

 眠りに気を配るのは、けが防止の意味も大きい。世界選手権初Vを飾った直後の昨年9月、右膝を負傷。過去には両膝半月板を痛めた。粘り強いラリー戦主体のスタイルは、体への負荷も高い。奥原を担当する「AiR」の販売元・西川産業の須藤健二朗さん(38)は「彼女は膝をけがしているから、他の部位が(膝を)カバーして負担がかかりやすい。質の良い眠りでないとけがにつながる。非常にこだわりが強い」と明かす。

 五輪2年前の今大会は、東京に向けた重要な通過点。順当なら決勝で当たる世界1位の戴資穎(台湾)が最大の壁となる。奥原は「目標はもちろん優勝。先を見ず、夢中でシャトルを追いかけたい」。無我夢中の先に、欲しい栄冠が待つ。

 ◆日本勢、水にもゴミにも負けず快勝発進

  快勝発進した日本勢は、ともに初日からハプニングに見舞われた。世界選手権の初勝利を危なげなくつかんだ西本は第2ゲーム途中、度々コート面を気にしてスタッフへモップで拭くように求めていた。「冷房の水ですかね? 同じ位置に5点に1回くらい垂れてきていた。汗より全然滑るし(コートの)真ん中は踏ん張る所なので、気にして繊細にやった。東南アジアではたまにあるけど、まさかここで? と思った」と、思わぬ“洗礼”を浴びていたことを明かした。

 別コートで混合複に臨んだ松友は、モップから落ちたゴミを気にしていた。「拭いてくれるんですけど、布からゴミが出て(コートが)汚れて…」。小林も「足で一生懸命払っていた」と続けた。環境に動じず、ともにストレート発進。31日には男子シングルスに桃田賢斗(23)=NTT東日本=らが登場する。

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