バスケ日本、買春4人追放8人で勝った「苦しい状況だったけど一丸」

スポーツ報知
交代メンバーが3人しかいない日本ベンチ

◆ジャカルタ・アジア大会 バスケットボール ▽男子1次リーグC組 日本88―82香港(22日)

 バスケットボール男子日本代表は、1次リーグC組第3戦で香港と対戦し、88―82で勝ち、これで2勝1敗とした。大会中に代表公式ウェアで買春行為をし、日本選手団の代表認定を取り消された4選手が帰国後、初となった一戦。第4クオーター(Q)で一時は逆転を許しながらも、再逆転で勝利。残された8人とスタッフが一致団結して、大きな1勝をつかみ取った。

 こんなにも苦しく、悲しい勝利は初めてだった。第4Qの残り2分5秒、勝ち越しの3ポイントシュートを決めた辻直人(28)は「いつもの試合に臨むときとは全く違う状況だった。苦しい状況だったけど、選手、スタッフが一丸となって勝つことができた」と普段とは違う勝利をかみ締めた。

 想定もしない事態だった。大会期間中の16日深夜の歓楽街で、代表の公式ウェアを着て買春行為をしたとして、永吉佑也(27)、佐藤卓磨(23)、橋本拓哉(23)、今村佳太(22)の4人が日本に強制送還された。今回のチームを指揮するマンドーレ・エルマンコーチ(34)は「我々にとっても悲しい出来事。残された8人の選手とスタッフで戦い抜いて見せようと誓い合った」と一致団結してこの試合に臨んでいた。

 だが8人しかいない影響は確実にあった。第3Q終了時点では70―61とこの試合最大の9点差をつけてリードした。だが第4Qに入ると、ベンチメンバーが3人しかいない影響からか足が止まり、格下の香港の反撃を許し、一時は逆転を許した。辻は「体力面では今までの試合と比べると、影響は大きかった。普段ならありえないシュートミスもあった」と認めた。

 窮地を乗り越えたことに大きな意味がある。佐古賢一アシスタントコーチ(48)は「これからバスケットには風当たりが強くなる。現場は1つでもいい成績を残していくしかない」と言い切った。残された8人の意地でつかみ取った1勝だった。(井上 信太郎)

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