【杉山愛の目】セリーナをイラつかせた大坂の実力

スポーツ報知

◆テニス 全米オープン第13日 ▽女子シングルス決勝 大坂なおみ2-0セリーナ・ウィリアムズ(8日、米ニューヨーク)

 大坂選手はセリーナ選手を実力で上回りました。そんな選手は今までいなかった。すごすぎて言葉がみつかりません。パワー負けしないし守備も強化できていて、試合前から実力的には互角以上と思っていました。ただ、自分のテニスを4大大会の決勝でやりきることが難しい。メンタル面だけが心配でしたが最初の1ポイント目から入り込んでできていました。舞台が大きいほどいいテニスをしてくれる選手ではありますが、想像をはるかに超えてきました。

 セリーナ選手がイライラしたのも、大坂選手のプレーが良かったから。打ち負けない手応えがあるからじっくり構えられたし、無理に攻める必要はありませんでした。残念な展開になってしまい精神的にも難しい状況で、よく目の前に集中できていました。

 一番驚くのは短期間でのメンタルの成長です。3月のBNPパリバ・オープンで優勝した経験は大きかったでしょう。そこで一度落ち込んでしまいましたが、回復の早さにも驚きました。彼女の活躍で女子にも注目が集まりますし、日本勢を引っ張る存在として錦織選手が今まで1人で背負ってきた負担も減るでしょう。

 これからもいろんなことが起きて環境が変わってストレスを感じることがあると思いますが、慣れていって、4大大会のタイトルをたくさん取るような選手になるでしょう。(元ダブルス世界ランク1位)

スポーツ

×