神戸製鋼「平尾さんのために」三回忌に紅組1位突破

スポーツ報知
後半、ディフェンスをかわしトライを決める神戸製鋼・山中亮平 【右写真】95年、華麗なステップで攻め込む神戸製鋼の平尾誠二さん

◆ラグビートップリーグ第7節 神戸製鋼48-31NEC(20日、ノエビアスタジアム)

 最終節8試合が行われ、神戸製鋼はNECに7トライで快勝。20日が三回忌だった元GMの平尾誠二氏(享年53)にささげるレッド・カンファレンス(紅組)1位通過を決めた。ホワイト・カンファレンス(白組)はヤマハ発動機がリコーを下し1位通過。各組上位4チームによる決勝トーナメントは12月1~15日まで行われる。

 神鋼にとって特別な日だった。選手として日本選手権7連覇(88~94年度)に導き、16年10月20日に胆管細胞がんで他界した元GM平尾氏の命日。試合4日前に功績をまとめた映像をミーティングで見て結束して臨んだ。

 主役は3トライでマン・オブ・ザ・マッチ選出の日本代表FB山中亮平(30)だ。前半2分、自陣から持ち出して味方とパス交換し、中央へ先制トライ。同34分、後半23分にもトライを挙げ「チーム全員が平尾さんのために良い結果を出したかった」。ウィング山下楽平も3トライ、SOカーターは5G1PGで貢献した。

 特に山中は平尾氏に大きな恩を感じている。社会人1年目の11年。ひげを伸ばそうとした際の育毛剤使用によるドーピング違反で2年間の資格停止処分に。解雇も覚悟したが、平尾氏が「社員として頑張ってから復帰しろ」と助け舟。退部して社業に専念し、処分が解けてから部に復帰した。「平尾さんがいなければラグビーを続けられていなかったかも」と感謝した。

 日本代表合宿(宮崎)に21日、再合流する。「いま調子がいい。代表で活躍しないと」と19年W杯を見据える。15季ぶり優勝を目指す神鋼でもトライ量産で恩返しする。(田村 龍一)

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