大坂なおみ涙、左太ももの負傷で棄権「どんどん痛くなっていった」

スポーツ報知
大坂なおみ

◇WTAファイナル第6日(26日、シンガポール室内競技場) ▽1次リーグA組K・ベルテンス1(6―3、棄権)0大坂なおみ

 世界ランク4位で初出場の大坂なおみ(21)=日清食品=は、同9位キキ・ベルテンス(26)=オランダ=との第1セット終了時点で左太ももの負傷で棄権した。1次リーグ3連敗で敗退が決定。プロ6年目の今季はツアー2勝、獲得賞金639万4289米ドル(約7億337万円)で終了となった。

 世界を驚かせる躍進を遂げた大坂の1年は涙で終わった。第2セット開始前、メディカルスタッフと大会幹部の話にうなずき、ベルテンスと抱き合い、涙をぬぐった手をウェアで拭いてから主審に握手を求めた。「初戦(22日・スティーブンス戦)で痛めて、プレーするたびに悪くなっていった。今日はラリー練習も満足にできなかった」という左太ももの痛みは我慢の限界だった。

 第1ゲームはブレイクのピンチを迎え、7分かかってキープに成功。その後も1、2戦目より攻撃的なプレーでポイントを重ねていった。しかし「2―2の時点でどんどん痛くなっていった。動けないから全てのボールを強く打とうとしたけど、機能しなかった」と状態は悪化。第7ゲームで第1サーブが入らず、バックハンドでのミスが続き0―40のピンチでブレイクを許した。

 第8ゲーム前にサーシャ・バイン・コーチ(34)が駆け寄り「足の痛みはひどいか? 無理ならトレーナーを呼んでいい」と声をかけ「バックハンドを打つのが痛い」と答えた。第8ゲームをラブゲームでキープされ、メディカルタイムアウトを要請。左足に新たなテーピングを施して姿を見せたが、最初のポイントはダブルフォルトで、0―40からもダブルフォルト。サーブの速度は160キロ台まで落ちて第1セットを3―6で失い、プレー続行を断念した。

 3月のBNPパリバ・オープンでツアー初優勝、全米オープン(9月)で日本勢シングルス初制覇を果たした。世界ランクは年始の70位から4位まで上がった。「クレイジーな1年だった」と振り返るほど激動の1年だった。シーズンを経て「自信、とは言いたくなくて、もっと心の平穏さというか…禅のような気持ちとでも言うのか、自分の内面が平和になっている。シーズン序盤はそんな気持ちにはなれていなくて、今はもっと穏やかにいられる」と精神的な変化を感じているようだ。

 オフに入りフロリダに戻って「犬に会うのが楽しみ。1か月会っていないから覚えてもらえてるかな」と笑った。オフといっても「最初の1日は何もせずゴロゴロしているのが幸せ。でも次の日にはテニスがしたいなぁと考え始めてしまう」そう。11月中旬には日本でイベントに参加予定で、元気な姿を見せてくれそうだ。

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