【杉山愛の目】錦織に戻ってきたフォアハンドの威力

スポーツ報知

◆日東電工ATPファイナル第1日(12日・ロンドンO2アリーナ) ▽1次リーグB組錦織圭2(7―6、6―3)0R・フェデラー

 女子テニスで元ダブルス世界ランク1位の杉山愛さん(43)が、錦織のフェデラー戦4年8か月ぶりとなる白星を分析。フォアハンドを軸にした攻撃意識が光り、凡ミスが多かった相手に復調の糸口をつかませなかった点を勝因に挙げた。

 よく勝ったな、と思います。フェデラー選手は序盤からミスを重ねてリズムをつかめていませんでしたが、彼ほどの選手は1つのターニングポイントから一気に勢いをつかんで盛り返してきます。錦織選手はネットプレーに出たり、バックハンドで素晴らしい返球があったり、最後まで相手に流れを渡しませんでした。

 特に、5―6の第1セット第12ゲームは0―30と劣勢になり、5―7で第1セットを奪われてもおかしくなかった。引かずに、前へ前へと攻められた成果です。

次戦はサーブ鍵 フォアハンドの感覚が、以前より良く見受けられますね。先月の楽天ジャパンOPの頃はまだ攻撃の手応えが出ていませんでしたが、今回は相当意識してきたと思う。

 手首がボールを打つ瞬間が怖くて、しっかりとラケットを振れないものですが、けがから復帰する過程で時間をかけて徐々に力を取り戻してきました。体幹も強くしているようで、よく回復してきたと思います。

 次戦のアンダーソン選手は、サーブが鍵。ビッグサーバーでブレイクするのが難しく、手足が長くて守備範囲も広い選手です。特にセカンドでボディーへのサーブを増やすなど、配球の工夫も大事になってきます。

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