錦織を圧倒のアンダーソン「ベストに近い試合」

スポーツ報知
ケビン・アンダーソン(ロイター)

 ◇日東電工ATPファイナル第3日(13日・ロンドンO2アリーナ) ▽1次リーグB組K・アンダーソン2(6―0、6―1)0錦織圭

 32歳で初出場のケビン・アンダーソン(南アフリカ)は錦織圭(28)=日清食品=を圧倒し2連勝とした。第1セット第1ゲームから時速200キロ超えのサーブでエース2本をゲット。サービスエースが決まると「ACE」と表示される映像と音響が流れる演出を味方につけるように、どんどんギアを上げていった。

 サービスゲームで3ポイントしか落とさず第1セットを先取したが「圧倒した直後に流れが変わってしまうのはよくあること」と気を緩めることなく最後まで集中を保った。「ベストに近い試合ができた」と誇った。

 これで錦織とは今季だけで4度対戦し3勝。第1サーブの確率が77%と高い水準で安定していた。「自分のサーブがいい場所に決まれば、相手がリターンするのは難しい。ほとんど30―30にならなかっただろう?(※第2セット第1、5ゲームの2回)そういう状況にしないことが重要だったんだ」と自賛した。第1サーブの得点率も第1セットは92%、第2セットも75%と武器を存分に生かした。

 「彼はトリッキーで動きがいいし、ボールを素早くとらえて僕のサービスゲームを攻略してくる。彼と試合をする時はサービスゲームに気をつけている。今日の試合は、それがとてもうまくいった例だと思う。ウィーン(エルステバンク・オープン決勝で勝利)もそうだった。誰に対してもそうだけど、やりたいことをさせないようにすることが大切」

 32歳のシーズンで自己最高の世界ランク5位をマークし、勝利数も自己最多の47になった。着実に進化を遂げている。

 「ブロックを積み上げているようなものなんだ。最初はゆっくり、少しずつ。2015年に初めてトップ10に入って。16年は故障があって苦しみ、昨年の序盤はフォームを見失っていたけれど、全米オープンで決勝にいけて大きく前進できた。自身がついて、今年はもっと高い目標を設定できるようになった。アップダウンがあって簡単ではなかったけれど、正しい方向に進めていると思う」

 203センチの長身で少しずつ歩みたどりついた晴れ舞台。快進撃はまだ続きそうだ。

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