早大、明大倒して創部100周年V

スポーツ報知
優勝を決め、喜ぶ早大フィフティーン(カメラ・中島 傑)

◆関東大学ラグビー 早大31―27明大(2日、秩父宮ほか)

 創部100周年の早大が伝統の早明戦を31―27で制し、帝京大と並んで8年ぶり23度目の対抗戦優勝を果たした。前半3分にFB河瀬諒介(1年)が先制トライを挙げるなど、終始試合を優勢に進めた。明大は後半37、41分にトライし追い上げたが、あと4点届かなかった。対抗戦のみの通算成績は早大の54勝38敗2分け。6勝1敗の帝京大が1位、早大が2位、5勝2敗で並んだ慶大が3位、明大は4位扱いで大学選手権を迎える。

 早大FWの意地が勝利を呼び込んだ。17―13の後半10分過ぎ、ゴールまで5メートルに迫られ反則。明大はスクラムを選択。重戦車FWで押し切るプランを、超満員2万2256人の半分以上を占めた明大ファンが後押しした。「ナメられてる。悔しい」。プロップ鶴川を筆頭に一丸となって押すと、相手の膝がつく反則。勝ったように抱き合った。直後の後半14分に連続攻撃から最後はセンター中野がトライ。「FWが耐えた分、BKで取り切りたかった」と胸を張った。

 創部100周年の節目に8年ぶりの優勝。今季就任した相良南海夫監督(49)は「節目にタイトルを取れたのは素直にうれしい」と喜んだ。91年度にキャプテンを務めた。同じ主将経験者でも現役時代にカリスマと呼ばれた山下大悟前監督(38)とは路線が異なる。

 温和な人柄は「お父さんみたい」(SH斎藤)。自主性を重んじる指導で、中野は「選手主体で、自分たちから考えてやっていこう」という意識が芽生えたという。世代別の代表経験者がそろうBKは自由に意見を交わし、俊敏さと組織だった動きが光る「原点回帰」につながっている。

 久しぶりのタイトルは10年ぶりの大学日本一への通過点に過ぎない。王者・帝京大には28―45で完敗。だが、勝敗数で同率となり対抗戦V。元日本代表FWで明大OBの泰治氏(摂南大監督)を父にもつFB河瀬は「帝京大と同率では満足していない。大学ラグビーは早慶明が勝って盛りあげるものだと思う」と力強く語った。くしくも大学選手権は早慶明が同じブロック。気を緩めることなく「再チャレンジのスタート」(相良監督)ととらえ、帝京大のV10阻止、大学王座奪還に挑んでいく。(大和田 佳世)

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