張本智和、水谷隼超えの世界ランク3位浮上「1位で東京五輪を」

スポーツ報知
成田空港に帰国し、取材に応じる張本智和

 卓球のワールドツアー・グランドファイナルで史上最年少優勝を果たした張本智和(15)=エリートアカデミー=が17日、成田空港に帰国した。今大会の成績により、来年1月発表の世界ランクで5位から3位に浮上する見通しとなった。男子では水谷隼(29)=木下グループ=の4位を上回り過去最高。女子を含めても石川佳純(25)=全農=に並ぶ快挙。張本は「東京五輪は世界ランク1位で迎えたい」とさらなる高みを目指していく。

 15歳の張本から王者の貫禄が漂った。「東京五輪で優勝するのと同じくらい価値がある」と位置づけて挑んだ大会で、並み居る実力者たちを次々倒して初優勝。大きな自信を得ての凱旋に「だんだん実感が出てきてうれしい」と、はにかんだ。史上最年少王者の可能性は決勝前に「ネットで知りました」と笑い、「今年じゃないと史上最年少じゃないと聞いて、絶対勝ちたかった」。狙い通りの優勝で、勝負強さも世界に示した。

 グランドファイナル優勝で、2550ポイントを獲得したため、林高遠(中国)、元世界1位のティモ・ボル(ドイツ)を抜き来年1月には、日本男子で過去最高、世界ランク3位に浮上する見通しだ。それでも、同1位の樊振東、2位の許キンと、強力な中国勢を超えなければ、東京五輪の金メダルは見えてこない。「世界ランク1位になって東京五輪を迎えられるように頑張りたい。世界ランク1位も夢じゃない」。自身の可能性も強く実感している。

 年内はTリーグ3試合(23、25、27日)に出場する予定。10月に開幕し、各週、試合と遠征が組み込まれ過密日程にも思えるが「自分は試合がないと不安な状態になる。(Tリーグで)ほぼ毎週試合ができたので、そのままの感覚で今大会に挑めた」と、Tリーグ効果も快挙を後押しした。

 来季は、いよいよ東京五輪前年のシーズン。「東京五輪では優勝候補と言われたい。まずは来年の全日本選手権で連覇して、世界選手権で金メダルを取りたい」。数々の記録を打ち立ててきた15歳は、必ず有言実行する。(小林 玲花)

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