【高校ラグビー】早実勝った!87大会ぶり 清宮が応援9トライ

スポーツ報知
前半25分、タックルをかわしトライを決める早実・今駒(左)(カメラ・石田 順平)

◆高校ラグビー 第2日 ▽1回戦 早実55-3名護(28日・花園ラグビー場)

 1回戦11試合が行われ、2016年度大会山口の64大会ぶりを上回る79大会ぶり出場の早実(東京第1)が登場。名護(沖縄)に55―3で大勝し、準優勝した1929年の11回大会以来、大会史上最長ブランクとなる87大会ぶりの白星を挙げた。当時は南甲子園運動場での開催だったため花園では初出場初勝利。試合には日本ハム・清宮幸太郎内野手(19)も駆けつけ、スタンドから声援を送った。2回戦は30日、流通経大柏(千葉)と対戦する。

 早実ラグビー部の新たな歴史の扉が開いた。ノーサイドの笛とともに、スタンドに詰めかけた清宮やOB、関係者らは総立ちで87大会ぶりの勝利を喜び合った。攻めては速い展開から正確なパス回しで9トライ。守っては、1本のトライも許さなかった。前回勝った時は南甲子園での開催だったため、これが花園での初勝利。大谷寛監督(41)も「ほっとしました」と胸をなで下ろした。

 歴史的1勝の立役者がウィング今駒有喜だ。前半21分に巧みなフェイントで2人をかわし、右中間に決めるなど計3トライ。「3トライを目標にしていたのでうれしい」と、はにかんだ。3歳から小6まで、早大OBで元日本代表センターの父・憲二さん(53)の勧めで「ワセダクラブRS」に所属した。そこで出会ったのが、父親同士も早大、社会人のサントリーでチームメートだった1歳上の清宮だった。

 今駒が「コータローはすごくて」とため息をつくほど、当時から清宮は頭一つ抜けた存在だった。飛び級で上の学年のチームにいたため一緒にプレーする機会は少なかったが、今でもLINEで連絡を取り合っているという。清宮がプロ入りの際は今駒が祝福し、逆に今大会の前には「頑張って!」という激励を受け取った。その清宮が生観戦する中での勝利に「わざわざ応援に来てくれてうれしかった。いい試合ができて良かった」と感謝した。

 大会前にはジャージーを早大と同じ伝統の「赤黒」デザインに新調した。しかし対戦相手との関係で1、2回戦は白のセカンドジャージーで戦うことが既に決定。「赤黒」を着るためには、次のBシード・流通経大柏戦で勝つしかない。「この勢いに乗って、柏を倒せるかなと思います」と今駒。夏の甲子園だけじゃない、冬の花園も早実が熱くする。(筒井 琴美)

 〇…幼稚園年少から小4までラグビー経験がある清宮は「めちゃくちゃ久しぶりに来た」という花園のメインスタンドで観戦した。「強くて格好いいし、2世選手が多い。楽しませてもらっています」とチアスティックで応援。「(今後に)赤黒(のファーストジャージー)を着られるかもしれないので格好いい姿を見せてほしい」と期待した。また、日本ハムが調査する弟の福太郎(15)に「(進学予定の早実は)普通にやればやりやすいと思う」とエールを送った。

 早実の大谷監督は、普段はスポーツ専門チャンネル「J SPORTS」で働くサラリーマン監督だ。同社ではプロデューサーとしてラグビー中継を担当し、毎年この時期には高校ラグビーの中継で花園を訪れていた。今大会は会社の理解もあり代休を使って指揮。「休めない休みが続きます」とうれしい悲鳴を上げた。

 また選手では「2世選手」が活躍した。NO8相良昌彦主将の父は早大ラグビー部監督の南海夫氏(49)。試合前日にLINEで「60分間出し切れ!」などと書いた長文のメッセージを受け取り、3トライと結果を出した。「味方のアシストが良かった。次は苦しい場面で決められたらいい」と次戦へ気合十分だ。他にも早大ラグビー部OBを父に持つ選手が多くおり、センター植野智也は父譲りの的確なタックルで、前半10分のトライを引き寄せた。

スポーツ

×