【高校ラグビー】聖光学院・飯山「来年はシード倒す」黒沢尻工に惜敗

スポーツ報知
後半20分、聖光NO8植田が敵陣ゴール前のスクラムから飛び出しトライを奪う

◆全国高校ラグビー第3日 ▽2回戦 黒沢尻工17―12聖光学院(30日・花園ラグビー場)

 聖光、惜敗―。2回戦が行われ、聖光学院はシード校の黒沢尻工(岩手)と対戦。5―12で折り返した後半20分にNO8植田歩がトライを奪い、SO高成田光(ともに3年)のコンバージョンキックで追い付いた。しかし25分にモールで押し込まれて12―17。県勢16年ぶり、聖光としては初の3回戦進出に届かなかった。

 目標の「打倒・シード」へ、あと一歩だった。残り2分でボールを得た聖光は自陣からパスを回して攻め続けたが、相手の守備に阻まれて前進できず。最後はノックオンで試合終了。メンバーは肩を落とし、悔し涙を流した。

 風下の前半は我慢。出足の速いタックルで相手の攻撃を止めてロースコアに持ち込み、風上の後半に勝負をかけた。一進一退の展開が続いた後半20分、ハイパントを相手がキャッチミス(ノックオン)。敵陣ゴール前7メートルでスクラムを得ると「前が空いていた」と、ボールをつかんだ植田が相手2人のタックルをかわしてトライ。キックも決まり12―12の同点だ。

 しかし直後に自陣深く攻め込まれ、約20メートルをモールで押し切られて万事休す。チーム初の「年越し」には届かなかった。キックで攻撃を引っ張ったSH山田悠登(3年)が「悔しいけれど、これが実力」と言えば、佐々木陽平監督(41)も「まだまだ壁は高いです」と厳しい表情で話した。

 それでも、ここ数年の県勢の2回戦では、間違いない好ゲーム。昨年も東海大静岡翔洋が佐賀工に0―73で完敗するなど、まったくシード校に歯が立たない状況が続いていたが、今後への光は見せた。植田は「主力で出ていた2年生が残る。春の全国選抜を狙ってほしい」と後輩たちに夢を託した。

 ラインアウトで相手ボールを何度も奪ったフランカー飯山尚暉(2年)も「もっとフィジカルを鍛えて、来年はシード校を倒したい」と意気込んだ。新チームの初公式戦は1月20日の新人戦決勝トーナメント1回戦。花園での手応えを胸に、新しいスタートを切る。(里見 祐司)

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