【高校ラグビー】大阪桐蔭・奥井章仁、6人はじき飛ばし突進

スポーツ報知
前半、相手選手をハンドオフで退けながら突進する大阪桐蔭・奥井章仁(中央=カメラ・岩下 翔太)

◆全国高校ラグビー第3日 大阪桐蔭86―7土佐塾(30日・花園ラグビー場)

 ラグビー部の背番号6もすごいんです! 2回戦16試合が行われ、Aシードの大阪桐蔭(大阪第1)は、同校花園最多の86得点で土佐塾(高知)に圧勝した。前回大会準優勝メンバーのフランカー奥井章仁(2年)が前半16分にトライを挙げるなど、プロ野球・中日にドラフト1位指名された根尾昂遊撃手(18)級の怪物ぶりを見せた。Bシードの天理(奈良)は岡谷工(長野)に快勝。高校日本代表候補のFB津野来真(3年)を骨折で欠いたが、前半だけで6トライを奪った。16強が出そろい、来年1月1日に3回戦8試合が行われる。

 パワーアップして花園に帰ってきた。開始50秒のノーホイッスルトライで先制した直後、大阪桐蔭の奥井は178センチ、107キロの巨体で相手6人をはじき飛ばして突進した。前半16分にトライを挙げると、同29分には巧みなパスでトライにつなげた。前回大会は1年生でただ一人、全5試合に先発して準優勝に貢献。「去年の経験は生きている。自分も主将という強い気持ちでやっている」と覚悟を示した。

 初Vに向け、綾部正史監督(43)は「いろんな選手を使って上を(目指す)」と、高校日本代表候補で帝京大に進学予定のセンター松山千大(ちひろ、3年)を温存。それでも9選手で計14トライを挙げ、花園での同校史上最多となる86得点で圧勝した。指揮官は「バランスのいい選手が例年になく多い。どこからでもトライが狙える」と自信をにじませた。

 U17日本代表で高校日本代表候補でもある奥井は「焼き肉は食べ放題に行かないと。2時間ならずっと食べている」と笑う大食漢。食トレのノルマで1日に米を12合食べるほか、豚肉ではなく鶏肉を食べるなど、今年はおかずにもこだわってきた。「体重は変わらないけど筋力がアップしている」。ベンチプレスは20キロ増の120キロになった。

 5度の花園優勝を誇る東海大大阪仰星は自転車で20分と近いが、中学3年時に綾部監督から熱心に誘われて大阪桐蔭に進学した。「自分が入って初めて花園で日本一になりたい」という理由も決め手になった。「去年は悔し涙で帰ったけど、今年はうれし涙で帰れたらいい」と早くも頂点を見据える。野球部の背番号6だった根尾に負けない怪物が、同一年度では初の「花園&甲子園アベックV」へと大阪桐蔭を導く。(伊井 亮一)

 ◆野球部の「背番号6」根尾の活躍 投げては最速150キロ、打っても高校通算32本塁打の二刀流として、甲子園に4季連続で出場し、3度優勝した。今春センバツは打率5割、2年連続の胴上げ投手で史上3校目の春連覇に貢献。今夏は史上2人目の2勝&3本塁打で春夏連覇を達成した。2年時も春夏の甲子園で全8試合に出場。本塁打はなかったが計8安打を放ち、センバツ決勝は1回無失点で胴上げ投手になった。

 ◆奥井 章仁(おくい・あきと)2001年9月17日、大阪・枚方市生まれ。17歳。楠葉西小1時に「枚方ラグビースクール」で競技を始める。楠葉中のラグビー部ではNO8。大阪桐蔭では1年夏からAチームの試合に出場。50メートル走は6秒8。家族は両親と姉。

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