張本智和、会心逆転劇で絶叫8強

スポーツ報知
体を反らし叫ぶ張本智和

◆卓球 全日本選手権第5日 ▽男子シングルス6回戦 張本4―2田添健(18日・丸善インテックアリーナ大阪)

 男子シングルスは張本智和(15)=エリートアカデミー=が苦しみながらも準々決勝に進んだ。

 「これは負けるパターンだ…」。昨年王者・張本の脳裏に最悪の結果がよぎる。エリートアカデミーの先輩でもある緒方(早大)との男子シングルス5回戦、最終第7ゲーム。ミスを繰り返し、1―6と一気に5点差をつけられた。負ける図しか頭に浮かばない絶望的な心境の中で「点数は気にせず一球ずつつなぐしかない」と腹をくくった。

 開き直りが不思議な力を呼んだのか、そこから怒とうのラッシュ。6連続ポイントもあり、最後は11―7の4―3でゲームセット。大歓声が降り注がれたが「なぜ逆転できたのか分からない…」と張本自身も首をかしげるほど、薄氷の勝利だった。6回戦も勝利し、シングルス2連覇へ崖っぷちから盛り返した。

 続くダブルスでも2連勝。準決勝では昨年優勝の水谷・大島組とぶつかる。「今日は気持ちが弱くて、ミスしたくないとばかり思ってしまった。プレーも調子も良くなくて全く満足していない。もう一回新しい気持ちで残りの試合に臨みたい」。試練を味わい、得た学びもある。どん底からはい上がった張本は、攻めて攻めて再び頂点に駆け上がる。(筒井 琴美)

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