大坂なおみVを支えたもの…オフにセリーナ担当コーチと肉体改造 俊敏性、スピード、持久力求めた

スポーツ報知

◆テニス 全豪オープン第13日 ▽女子シングルス決勝 大坂なおみ2―1クビトバ(26日・メルボルン)

 全豪オープンで大坂なおみ(21)=日清食品=が初優勝を飾った。快挙の裏側にはラケットのガットの変更など道具の進化と俊敏性、スピード、持久力の3つの要素を求めた厳しいトレーニングがあった。

 大坂の体はオフを経て、一層引き締まり、俊敏性もスピードもアップした。自称「常に影の存在」というトレーニング担当アブドゥル・シラー氏(43)が課したトレーニングのたまものだ。“チームなおみ”の鬼軍曹は「NFL(アメリカンフットボール)選手の俊敏さ、短距離選手のスピード、サッカー選手の持久力。その3つの要素を合わせてコート上で扱わせたい」と理想を掲げる。

 以前はパワーをつけようと鍛え、体を大きくしすぎて、オフ明けには少しぽっちゃりしてしまうこともあった。セリーナ・ウィリアムズ(米国)にも携わっていたアブドゥル氏が、昨季から指導するようになってからは違う。

 今オフは、最初の1週間はラケットを握らずに陸上トラックで走ったり、重たい物を引いたりした。過酷なメニューの連続にも音を上げなかった。「文句は言わない。時々、チラっとこちらを見てくるので僕が笑うと、彼女も笑う。自分は潜在能力を引き出すだけ。実行するかどうかは自分次第」。全米オープン優勝後も、もっと強くなりたい気持ちが大坂の体を動かした。

 鍛えた結果、長い試合にも耐えられる体になった。今大会では強打を警戒され、左右に大きく振られても、軸がぶれずに打ち返す場面が増えた。「3セットになっても巻き返せる自信がついていると思う」と成長ぶりを感じている。

 求める理想は高い。アブドゥル氏は「フェデラーのコート上での究めたような動き、ジョコビッチの安定性、コントロール性、ナダルのアグレッシブさを併せ持った選手にするのが目標。完璧なんてない」と話す。21歳の大坂が秘める無限大の可能性を引き出し、鍛え上げていく。

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