大坂なおみ、アジア勢初の世界1位“なおみ時代”が本格到来

スポーツ報知

 女子テニスツアーを統括するWTAは28日付世界ランキングを発表し、シングルスで全豪オープン(OP)を初制覇し、昨年の全米オープンに続く4大大会2連勝を達成した大坂なおみ(21)=日清食品=が前回の自己最高4位からアジア勢初の1位となった。1年間の成績をコンピューターで換算する現行制度が1975年に始まった女子では、通算26人目の1位。世界最強の勲章とともに、ツアー勝利と優勝を重ねていく。

 正真正銘、大坂なおみが世界一になった。WTA公式サイトの世界ランキングページの最上段で、優しくほほ笑む全豪OP女王の姿があった。14年2月に2位になった4大大会2勝の李娜(中国)を上回り、男女通じアジア勢の歴代最高位を更新。「大きな目標だった。世界1位がゴールではないので、次の大会でも勝ちたい」と決意を込めた。

 世界1位。名声以外に最大のメリットは、シード順にほかならない。芝コートでの実績を加味するウィンブルドン選手権を除き、原則第1シードに入れる。4大大会や、次ぐ格付けのプレミア・マンダトリー(PM)などで、世界トップ4の強敵と当たるのは準決勝以降。順当なら世界2位が入る第2シードとは決勝まで当たらずに済み、消耗を抑えて勝ち進める。追い風を生かして3月のPM2連戦、BNPパリバOPとマイアミOPを連勝すれば、世界1位の座は盤石。さらに、4大大会を完全制覇するグランドスラムの夢もふくらむ。

 現行のランキング制度で、S・グラフ(西ドイツ)やM・ナブラチロワ(チェコスロバキア)、S・ウィリアムズ(米国)らは計300週を超える期間で世界1位を守った。長期政権を維持するには、昨年初優勝したBNPパリバOPなど、現在の保有ポイントが高い大会で確実に成績を残すこと。さらに、苦手のクレー(赤土)でも白星を重ねる必要がある。

 大坂はWTA公式サイトに「(全豪OP決勝の)試合後の取材が全部終わった後、母(環さん)に電話したけど『おめでとう』も言わないで『寝なさい』と怒られたわ。とても愛されていると思いました」と明かした。昨年の全豪開幕時の72位から頂点に立ち、「この2年間は世界ランクトップ10に入りたいと思っていたから、まだ実感がない。今はハードコートシーズンだけじゃなく、一年中いいプレーをしたい」と語った。次戦はカタールOP(2月11日開幕)。揺るぎない安定感を手にした時、“なおみ時代”が本格到来する。

 ◆他競技の世界ランク1位

 ▽ゴルフ 女子で宮里藍が10年に日本勢初の1位。男子は17年全米オープンで2位に入った松山英樹の2位が最高

 ▽バドミントン 男子で18年世界選手権シングルス王者の桃田賢斗がダブルスを含めた日本勢で初めて1位に就いた。女子はシングルスの山口茜、ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀組と福島由紀、広田彩花組が1位

 ▽レスリング 女子で五輪4連覇の伊調馨や同3連覇の吉田沙保里が1位

 ▽フェンシング 男子の太田雄貴が09年5月に日本勢初の1位

 ▽フィギュアスケート 男子は羽生結弦はソチ五輪前の13年10月に1位。約4年半守り続けたが、けがなどでポイントが上積みできず現在は3位。1位は宇野昌磨。女子の浅田真央は07年3月に1位

 ▽野球 世界野球ソフトボール連盟が発表するU―12からプロまでの代表の成績を反映したランクで日本が1位

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