大坂なおみと契約解消のバイン氏、プロテニス界で“異分子”の日本協会にも欠かさない配慮…テニス担当が見た

スポーツ報知

 女子テニス世界ランキング1位の大坂なおみ(21)=日清食品=は12日、自身のツイッターでサーシャ・バイン・コーチ(34)との契約解消を明らかにした。昨季から指導を受け全米オープン(OP)、全豪OPと4大大会2連勝の快挙を達成。男女を通じてアジア勢初の世界1位となり、新たな境地を目指して決断したとみられる。後任は未定で、次戦のドバイ選手権(17日開幕)はコーチ不在で臨む。

 大坂の決断を聞き、昨年4月、国別対抗戦フェド杯(兵庫)でバイン氏が日本代表の他選手を懸命に応援する姿が頭をよぎった。報道陣に優しかったイケメンコーチは、日本テニス協会への配慮も欠かさなかった。協会は無名の頃から大坂を支援。対戦相手の分析データ提供などのサポートに、バイン氏は何度も感謝を口にしてきた。大坂を15歳から知る吉川真司コーチ(40)が協会から派遣される大会では、チームの一員として迎えた。全米で大坂陣営席に座ろうとした吉川氏を止めた会場スタッフに猛抗議。信頼関係の強さを感じさせた。

 選手もコーチもワールドワイドな契約社会であるプロテニス界で、日本の統括組織である協会は“異分子”ともいえる。協会側は「サポートは今までと変わらない」方針だが、相手も今まで通りとは限らない。スタッフ以外を厳しく閉め出すタイプのコーチもいるという。もちろん、ツアーで結果を残すのが最優先だが、金メダルを目標とする20年東京五輪を考えると、ナショナルチームを統括する協会とも良好な関係を築ける後任であってほしい。(前テニス担当・大和田佳世)

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