山根明会長、8日正午に自ら辞任表明へ…理事会「解任」強要に抵抗

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 日本ボクシング連盟は7日、大阪市内のホテルで臨時理事会を開催したが、過去の暴力団関係者との交際などが問題視される山根明会長(78)の処遇について結論は出なかった。理事から辞任を迫られた山根会長は反発し、「あす(8日)12時に発表する」と自ら進退を決め、辞任する可能性を示唆した。理事32人中、既に辞任した2人の他にも、会長側近の吉森照夫副会長(議会長)ら17人以上が辞任する意向。同会長を告発した「日本ボクシングを再興する会」は8日午後に都内で会見を行い、さらなる不正疑惑を追及するとみられる。

 臨時理事会を終えてホテルの外に出て来た山根会長は、無数のフラッシュを浴びながら声を張り上げた。全国的に注目を浴びている自身の進退について、「(理事会から)一任された」とし、「心が整理できました。あす(8日)12時に人生を懸けて言う。男としてのけじめを話すので時間をください」と、辞任をにおわせた。

 反山根派の「再興する会」から日本オリンピック委員会(JOC)などに不正疑惑を告発される中、アマチュアボクシングに携わって43年だという会長は、「私は歴史の(ある)男。(進退は)自分の判断で、自分で決める。暴力団に脅迫されて決めない」と、反山根派の実名を挙げてまで主張した。

 当初は出席した理事の過半数によって、解任が決議される可能性があった。理事会では数人の理事が辞任を迫ったが、山根会長が「俺は辞めん。あした記者会見して表明する」と、他の理事に強要されて辞任することに反発。進退を自ら決めることにこだわった。関係者によると、往生際の悪さにあきれた4~5人の理事が途中で退席したという。既に辞意を固め、理事会に出席した吉森副会長は、「(会長に)一任した」と話すにとどめた。

 臨時理事会は、山根会長が既に認めている過去の暴力団との付き合いや、助成金の流用が問題となって開催された。「このような事態になったことは会長として申し訳ない」と謝罪したが、8日に会見する「再興する会」から、さらなる追及があることは必至。「再興する会」は今後、臨時総会を招集し、増えている反山根派の得票数をもって山根会長ら現体制派を除名したい方針だ。

 2011年の就任当時からワンマン体制を敷いてきた山根会長だが、もはや“KO負け”寸前だ。進退を発表すると明言した8日12時は、「再興する会」が会見を行う約2時間前。「自分の近くにいる家族や友人に相談し、決めたい」とも話しており、追放される前に自らトップの座を降りる可能性はある。(田村 龍一)

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