ボクシング連盟新会長は反・山根派…前会長の永久追放決議や金銭疑惑の刑事責任追及も

スポーツ報知
前会長・山根明氏

 日本ボクシング連盟が8日に都内で行う臨時総会で選出する新会長に、「日本ボクシングを再興する会」の内田貞信氏(45)=宮崎県連会長=を候補に一本化する方向で調整していることが5日、分かった。過去の暴力団との交際や多くの不正疑惑の指摘を受け、辞任した前会長、山根明氏(78)の後任となる。一連の不正疑惑に伴い、総辞職した理事30人を新たに選出した後、新理事による理事会を開き、新会長が選出される。

 山根氏の不正を告発した「再興する会」の幹部である内田氏は近大OBで、宮崎県では有数の実業家としての一面も持つ。関係者は「5日の時点では未確認だが、委任状も含めて47都道府県の代表のほぼ全員が出席予定です。この告発に尽力した内田氏のもと、来年2月の定期総会まで暫定政権を設け、日本アマチュアボクシング界の新たな船出を迎えたい」とした。

 すでに山根氏は日本連盟の会長、理事や関西連盟及び奈良県連盟の役員、会員も退くことを発表したが、同関係者は「それでも永久追放する決議を求めることになる」と説明した。臨時総会に総正会員の過半数が参加した上で、3分の2の票が集まれば除名できるとし、「辞任はしたが、これだけのことをした山根氏は追放処分に値する。全員が同じ意見でいる」と話した。

 山根氏らの助成金の不正流用など金銭疑惑についても総会では刑事責任を問う意向で、関係者は「第三者委員会の判断次第となるが、刑事責任を問えるだけの多くの証拠はすでに提出している」としている。

 ◆日本ボクシング連盟を巡る動き

 ▼4月15日 都道府県連盟幹部ら有志による「日本ボクシングを再興する会」が発足

 ▼7月27日 「再興する会」が不正を指摘する告発状をスポーツ庁などに提出。日本スポーツ振興センターからの助成金不正流用、奈良県選手をひいきしたとされる審判員の不正判定疑惑などを指摘

 ▼8月1日 助成金不正流用に関し、日本連盟が公式サイトに事実を認める文書を掲載。山根会長は全国高校総体ボクシングの開会式を欠席

 ▼同2日 山根会長が助成金の不正流用は事実と認めた上で、審判員の不正判定疑惑を全面否定

 ▼同3日 山根会長が過去に暴力団組長と関係があったことを認める

 ▼同7日 日本連盟が大阪市内で臨時理事会を開催

 ▼同8日 山根氏が会長、理事の辞任を表明

 ▼同16日 山根氏は関西連盟と奈良県連盟の役員、及び会員も退くことを発表

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