ボクシング連盟新会長は詐欺・強要・恐喝の逮捕歴を公表…山根前会長「世の中、信じられないことが起きる」と非難

スポーツ報知
日本ボクシング連盟の新会長に就任して取材に応じる内田貞信氏(右は鶴木副会長=カメラ・堺 恒志)

 日本ボクシング連盟の臨時総会と理事会が8日、都内で行われ、助成金の不正流用や過去の暴力団との交際などの指摘を受けて辞任した山根明前会長(78)の後任として、日本連盟を告発した「日本ボクシングを再興する会」発起人で宮崎県連会長の内田貞信氏(45)が満場一致で選出された。内田新会長は、逮捕され有罪判決を受けた経歴があることを公表した上で、「選手ファーストと透明性のある団体を目指したい」などと所信表明した。

 「山根独裁政権」打倒を果たし、新会長に就任した内田氏は「選手ファーストで、透明性のある団体、公益社団法人を目指したい」と掲げた。総辞職した山根派理事に代わる新理事26人を選び、再興する会の幹部ら中心に新体制が誕生。新会長について菊池浩吉副会長(54)は「年齢を超えた強力なリーダーシップがある」と評した。

 近大ボクシング部OBで宮崎県内で有数の実業家の若きリーダー。この日、過去に詐欺、強要、恐喝の疑いで逮捕歴があることが公表された。強要、恐喝では15年5月に高裁で懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けていた。一連の不祥事を乗り越え再出発の場で、わざわざ公表した理由として、日本連盟顧問の戸田裕典弁護士は「臨時総会の前には怪文書も出回ったが、すでに刑事責任の効力はなく、まったく問題ない」と説明。内田氏も理事会の席上で自身の経歴を公表したが問題視されなかったという。

 騒動中、名指しで内田氏を批判していた山根氏は、電話取材に応じ「世の中、信じられないことが起きる」と内田氏の会長選任を非難した。山根氏の除名や、旧体制の金銭疑惑について内田新会長は、「第三者委員会の結果を待って判断していきたい」と説明。刑事責任を問われる可能性もある山根氏は「なんぼでも追求したらいい。受けて立ちますよ」と声を荒らげた。

 旧体制を排除し、改革を進めていく暫定政権だが、新理事らから意見がなければ執行部は続投する方針。戸田弁護士は「内田新会長の過去の経歴で問題があれば、また新たに会長を選出するだけです」と話した。

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