高山勝成、アマチュア登録容認へ 強硬反対の山根前会長辞任、新体制で追い風

スポーツ報知
2017年4月3日付 スポーツ報知最終版

 日本ボクシング連盟は23日、都内で理事会を開き、プロで日本初の世界主要4団体タイトル制覇を果たし、アマチュアとして20年東京五輪出場を目指す高山勝成(35)=名古屋産大=のアマ選手登録を認める方針を決めた。今後、高山と話し合いの場を持ち正式に決定する。

 国際ボクシング協会は16年リオ五輪からプロ選手の出場を解禁したが、国内アマを統括する日本連盟はプロ経験者の出場を認めてこなかった。高山は今年8月、日本連盟への選手登録を求め、日本スポーツ仲裁機構に仲裁申し立てを行った。

 日本連盟は「高山のアマ参戦は1000%ない」と強硬に反対していた山根明前会長(78)が、助成金流用などの不正問題で8月に辞任。今月8日に新体制(内田貞信会長)が発足し、高山に追い風が吹いた。菊池浩吉副会長は「理事会で意見は分かれなかった。今後も同様の申請があれば、その都度検討していきたい」と話した。

 高山はスポーツ報知の取材に「やっとスタートラインに立つことができる。すごく興奮していると同時に、署名活動などで支えて下さった方々に感謝申し上げたい」と語った。現在、12ラウンドを戦うプロから3ラウンドで決着するアマへ戦術移行の真っ最中だ。

 現時点で東京五輪の選考方法は未定だが、アマ主要大会は11月に全日本選手権(水戸)、12月に全日本社会人選手権(長崎)がある。出場する場合はフライ級(49~52キロ)が濃厚で「ウェートはリミットまで5キロをキープしている。出るならベストに仕上げて参戦したい」と意気込んだ。(田村 龍一)

 ◆高山 勝成(たかやま・かつなり)1983年5月12日、大阪市生まれ。35歳。2000年10月にプロデビューし、05年4月にWBC世界ミニマム級王座獲得。06年11月、WBA世界同級暫定王座獲得。09年11月、日本ボクシングコミッション(JBC)を脱退し海外転戦。13年3月、IBF世界同級王座獲得。同年7月、JBC復帰。14年12月、WBO世界同級王座を獲得し日本人初の4団体制覇。30歳で愛知・菊華高へ入学し、現在は系列の名古屋産大在学。身長158センチの右ボクサーファイター。

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