木村翔VS田中恒成 スタミナ&メンタルの王者か スピード&テクニックの挑戦者か

スポーツ報知
調印式後、ポーズを取る王者の木村翔(左)と1位挑戦者の田中恒成

◆プロボクシング世界戦 WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦 王者・木村翔―同級1位・田中恒成(24日、愛知・武田テバオーシャンアリーナ)

 WBO世界フライ級タイトルマッチが24日、愛知・名古屋市で行われる。3度目の防衛を目指す王者・木村翔(29)=青木=と、世界最速タイとなる12戦目での3階級制覇を狙う同級1位・田中恒成(23)=畑中=の日本人対決は「雑草VSエリート」の構図で注目される。

 アマチュアの実績に乏しい木村は、“雑草魂”をモットーとするたたき上げ。2013年4月のプロデビュー戦では1回KO負けしたが、酒配達のアルバイトで生計を立てながら連勝を重ね(引き分け2試合を含む)、昨年7月に五輪2連覇の“中国の英雄”鄒市明(ゾウ・シミン)から王座を奪取した。同12月、今年7月に防衛成功し、戦績は17勝(10KO)1敗2分け。前に出続けるファイタースタイルで中国でも人気を集める。

 田中戦に向けては「スタミナが大事」と恒例のタイ合宿で1ラウンド4分、インターバル45秒のスパーリングを12ラウンドを行って強化してきた。「日本人ボクサーで48分、殴り続ける選手はいない。15ラウンドくらい戦えそう」と手応えを得てV3に挑む。

 一方、田中は高校4冠で“中京の怪物”と呼ばれたアマエリート。日本最短プロ5戦目の19歳でWBOミニマム級王座を獲得し、既に世界2階級を制した。11戦全勝(7KO)とし、WBAライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に並ぶ世界最速12戦目での3階級制覇に王手をかけている。勝てば、国内ジム所属選手では7人目の偉業。日本人未到の5階級制覇を掲げており、陣営の畑中清詞会長(51)は「海外に出る時、最速記録が手土産になる」と将来スーパーフライ級、バンタム級での世界進出の足掛かりと考える。

 田中にとって初の日本人同士の世界戦。7月に木村が中国・青島でKO防衛したV2戦を視察した田中は「どこで戦おうとぶれないメンタルをもっている。長所はスタミナ。圧力は一番気をつけないといけない」と警戒する。

 スタミナ、メンタルで世界戦3戦全てにKO勝ちと勢いに乗る木村か。スピード、テクニックでプロの世界を駆け上がってきた田中か。試合は午後4時からCBCテレビで生中継(中部地区のみ)される。

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