木村翔、田中恒成との激闘に敗れ「引退しよ~。燃え尽きたわぁ」すがすがしく語るも、現役続行も示唆

スポーツ報知
12回を戦い終え、抱き合う新チャンピオンの田中恒成(左)と木村翔

◆プロボクシング▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇田中恒成(判定 2―0)木村翔●(24日、愛知・武田テバオーシャンアリーナ)

 同級1位・田中恒成(23)=畑中=が、王者・木村翔(29)=青木=に2―0(114―114、115―113、116―112)の判定で勝ち、WBAライト級スーパー王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に並ぶ世界最速12戦目での3階級制覇を達成した。田中の戦績はデビューから12連勝(7KO)、木村は17勝(10KO)2敗2分け。

 両者ともに初回から距離を詰める激しい打撃戦を展開。王者・木村は打たれてもひるまず立ち向かった。スピードで上回る相手に空振りが目立ったが、手数を緩めることは一切なかった。最後のゴングが鳴って田中と抱き合い、健闘をたたえ合った。「自分自身は負けたと思わなかった。互いに気持ちがぶつかり合った試合。終わった直後は気持ちよかった」。頭をつけてきた田中に対し「(普段は)そういうタイプじゃない。それくらい根性を決めて、僕との試合をしてきた。僕のフィールドでやってもうまくいかなかったから負けた」と振り返った。

 7回頃から右目が腫れ「2回のフックで効いた。途中から見えなくて、ちょっとやばいという焦りが出たけど、王者として根性を見せられてよかった」と胸を張った。11回以降は右拳に痛みを感じ「本気で殴れない。当たっても効いてなかったと思う」と説明。7月末のV2戦から2か月弱の短い試合間隔には「色んな人がスパンが短いと言ってくれるけど、自分がやると決めたし。休まなかったので調子はよかったし、言い訳にはならない」と潔かった。

 試合後の控室では、今後について「もうないです。ボクシングをやりたいと思わない。今はやりたくない」と断言。隣に座る有吉将之会長(44)から「はっきり言うなぁ」と突っ込まれると、「まぁ、またやりたいって思うかも」と含みを持たせ「燃え尽き症候群。それくらいの気持ちでやっていた」とコメント。取材後は控室のベンチに寝転がり「引退しよ~。燃え尽きたわぁ」と、すがすがしい表情で天井を見つめた。ひとまず休み、進退について正式に答えを出す。

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