花形冴美、5度目の世界挑戦で悲願達成! 同じ5度目で世界王座奪取の花形会長を肩車

スポーツ報知
5度目の世界挑戦で王者となった花形冴美

◆プロボクシング▽IBF女子世界アトム級王座決定戦10回戦 〇花形冴美(判定 2―1)黒木優子●(29日、東京・後楽園ホール)

 東洋太平洋ミニマム級王者・花形冴美(33)=花形=がIBF世界アトム級王座決定戦を制し、5度目の世界戦で悲願を達成した。元WBC女子世界ミニマム級王者・黒木優子(27)=YuKOフィットネス=に2―1で判定勝ち。過去2度の対戦で1勝1分けと勝ち越している相手を接戦で退けた。花形の戦績は15勝(7KO)7敗4分け、黒木は18勝(8KO)6敗1分け。

 やっと夢がかなった。花形はカウンターを警戒しつつ相手の懐に飛び込み、右フックでダメージを積み重ねた。サウスポーの黒木に左ストレートをもらう場面もあったが、粘り強く攻めた。7回には偶然のバッティングが繰り返され、一時中断となる激しいファイト。ダッキングで頭をぶつけた花形は黒木に「ごめん」と小さくつぶやいた。互いに攻めた試合は、2―1(96―94、96―94、95―96)の僅差で花形に軍配。勝ち名乗りを受けた瞬間、リング上で泣き崩れた。

 4度の王座獲得失敗から手にした世界王座。「ありがとうしか言えないです…」。勝利者インタビューの返答は、涙声で震えた。2008年8月のデビューから10年で願いが成就。「やっと一つの壁をクリアできた。うれしいというより、いろんな人への感謝の気持ちでいっぱいです」

 陣営の花形進会長(71)も5度目の挑戦で元WBA世界フライ級王者に。「同じ5回目。運命を感じる。世界王者になったら、会長を肩車すると決めていた」と体重約60キロの師匠を担ぎ上げた。同会長は「落っこちるかと思ったよ。おっかない」と喜び、「諦めなかったから今があるんだ」と自身の現役時代と重ね合わせてねぎらった。

 次戦は指名試合となる。会長は初防衛に失敗。「防衛したら、俺を抜くよ」と言えば、新王者は「会長は防衛してないですもんね」と笑った。「ここで終わりじゃない。日本で世界王者になっている人とやりたい。誰からも逃げないので、女子ボクシングを盛り上げられたら」と先を見据えた。

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