伊藤雅雪、WOWOWで解説デビュー リナレスを絶賛「才能を感じる」注目点は両者の“嫌な顔”

スポーツ報知
伊藤雅雪

◆プロボクシング▽スーパーライト級(63・5キロ以下)12回戦 〇ホルヘ・リナレス―アブネル・コット●(29日、米カリフォルニア州インディオ、ファンタジー・スプリングス・リゾート・カジノ)

 WBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(27)=伴流=が解説デビューした。元世界3階級王者ホルヘ・リナレス(33)=帝拳、ベネズエラ=がアブネル・コット(31)=プエルトリコ=に3回1分31秒TKO勝ちした試合を、WOWOWでゲスト解説。早朝6時に起床し、過去の試合動画で選手の情報を下調べした上で、フェイスブックでの生配信に臨んだ。「緊張した。汗っかきなので、ガンガン、クーラーをつけてほしいくらい」と冗談交じりに振り返った。

 試合は、リナレスが2回に右ストレートでダウンを先取。3回にもガードの上から右を入れてダウンを奪った。再開直後にコーナーに追いつめてラッシュ。クリンチ後に両者とも倒れ込み、立ち上がったコットが後ろによろけたところで勝負が決まった。伊藤は「やっぱりリナレスは強かった。速いし、すごい。階級を上げてもスピードが落ちない」と絶賛。リナレスは5月のWBA世界ライト級王座4度目の防衛戦で、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に敗れて王座陥落し、1階級上げての再起戦だった。

 リナレスはスピードを兼ね備えた上で、これまで以上のパワーを発揮。伊藤は「筋トレじゃなくて、ナチュラルなサンドバック打ち、重りを持ってシャドーとか、ボクシングの動きでやっているのだと思う。才能を感じる。5発打って5発全部同じスピードですからね」と分析した。

 試合を見る際は「どちらがより“嫌な顔”をしているか」に注目するという。「きれいな方より、よりダメージがあって嫌な状況か」。7月末に判定勝ちでWBO世界スーパーフェザー級王座を獲得した自身の試合でも苦しい姿を見せないことを意識。「相手に嫌な顔をさせていく。弱気になると飲み込まれる。(元世界5階級王者の)メイウェザーも強気で回る。弱気だとポイントがつかない」と、アウトボクシングでも振る舞い方次第で印象が変わるとした。

 自身の初防衛戦は、12月に国内で指名試合の見通し。「もっと、もっと強くならないといけない」と成長を誓った。試合のもようは、10月8日午後9時からWOWOWライブで放送される。

スポーツ

×