ボクシング 清水に挑戦の上原拓哉、46年前の師匠と同じ番狂わせ狙う

スポーツ報知
東洋太平洋タイトル初挑戦が決まって意気込む上原拓哉(左)と度紀嘉男・アポロジム会長

 アポロジムは12日、東洋太平洋フェザー級(57・1キロ以下)5位の上原拓哉(22)が12月3日に東京・後楽園ホールで、同級王者・清水聡(32)=大橋=に挑戦すると発表した。ともにプロ無敗のサウスポー対決だが、アマ時代にロンドン五輪銅メダル獲得、プロ7戦全KO勝ちの清水が実績でリード。大阪市内の所属ジムで会見した上原は「過去最高のコンディションに仕上げる」と意気込んだが、「今は恐怖しかない。試合までに自信3割・恐怖7割ぐらいにはしたい」と舞い込んできたチャンスに、やや戸惑い気味に笑った。

 理想とする勝利のイメージは、アポロ嘉男のリングネームで現役時代に3度の世界挑戦を経験した師匠で、元東洋太平洋ジュニアライト級(現スーパーフェザー級、58・9キロ以下)王者の度紀(とき)嘉男(リングネーム・アポロ嘉男)・アポロジム会長(67)だ。1972年6月27日、後楽園ホール。日本ランカーだったアポロ嘉男はWBC同級3位の岡部進(石川)の世界前哨戦の相手に指名され、下馬評を覆して2回KO勝ち。世界戦線へと飛躍した。度紀会長は「勝負は分からない。清水選手は世界前哨戦かもしれないが、上原が刺客になってほしい」と期待した。

 上原は故郷・沖縄の南風原(はえばる)高2年時にインターハイ出場。14年8月にプロデビューすると、16年12月にWBCユース同級王座を獲得し、1度防衛後に返上した。清水戦当日は男5人の兄弟を女手ひとつで育ててくれた母・純子さん(43)も上京し、初めて息子の試合を観戦予定。上原は「大きな壁を乗り越えたい」。これまでのボクサー人生のすべてをかけ、清水にぶつかる。

 一方、4度目の防衛戦となる清水もこの日、横浜市内の大橋ジムで会見。「世界へつなげたい。来年の世界(初挑戦)へ向け、いい試合を見てもらえたら」と東洋レベルの“卒業試験”と位置づけた。通算成績は清水が7勝(7KO)、上原が16勝(10KO)。

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